手裏剣は個人や武術流派により稽古・研究されているため現在でも新しく製作されることも多いです。

 

ただし、骨董的価値(時代)がある手裏剣は数少ないと思われます。

 

今回収集品の中から紹介するのは骨董的価値(時代)があると思われる六方手裏剣です。

 

最大長さ:約13㎝ 厚さ:約3.5㎜ 重量:70g 環外径:約6㎝ 環内径:約3.5㎝

針(剣)の最大幅:約9㎜

 

鍛造肌が出ているので鉄を鍛えて製作されている事が分ります。

 

 

環の1ヵ所に「沸かし付け」で付けられていた部分が離れてしまった所があります。

そこから想像するのに、この手裏剣が古式のやり方で製作されている事が分ります。

 

ではこの手裏剣はどのように製作されたのでしょうか?

 

考察したみると

 

まず幅5.5㎝,長さ40㎝以上,厚さ3.5㎜の鋼板を鍛造します。

 

板の中央から、剣の切先が約3.5㎝の間隔になるように6個の剣をタガネ等で切出します。

現物を見ると剣は「沸かし付け」で後から付けられたものではなく、部材と一体のものです。

 

次にこれを熱して赤め径3.5㎝の鉄丸棒に巻き付けます。

 

重なり合う部分の長さと厚みを調節し、わかし付けで付けます。

 

全体の形を整えた後、刃先を焼き入れ・焼き戻ししたら完成です。

 

 

実に手間暇かかるやり方です!!

 

工作機械や溶接機のない時代ならいざ知らず、この手裏剣がこのやり方で今の時代に製作されたとするならば、もはや骨董武器として認定してもよいのではないでしょうか。