時の経つのは早いもので
すでに一年の半ばを過ぎ
ちょうど一年の折り返し点となりました。
はるか昔より 人間は過ちを犯し易いもの と、いう考え方がありました。
生身の人間が半年も過ごすうちには
知らず知らず 罪・穢れ(けがれ) 或いは 病を負うてしまうものです。
そこで私達の暮らしの中では
古くより ” 禊(みそぎ)” や ” お祓い ” と、いう
浄化の儀式 ( 習俗 ) を伝承してきました。
一般人(万民)を対象にしたものを 特に ”大祓” と言い
六月と十二月の晦日 (みそか) 6月30日と12月31日に行います。
半年に一度の盛大な ”お祓い” というものになるでしょうか。
6月30日 ・ ・ 夏越の大祓 ( なごしのおおはらえ ) or 水無月大祓
12月31日 ・ ・ 年越の大祓
夏越の大祓 ( なごしのおおはらえ ) のころは
うっとうしい空模様の ”梅雨” (つゆ) の季節と重なる地域も多く
これから迎える ”日本の暑い夏” も控えて
一度、 罪・穢れ・病 などをリセット ( お祓い ) し
気持ちも新たに、 年の後半も頑張りましょう
と、いう 意味合いも込められているようです。
大好きな ” ねむの木” も満開になっていました
( この樹なんの樹 気になる樹 はアメリカねむの木です)
それでは実際にどのような事をするかといいますと
一般的に ”茅の輪くぐり” ( ちのわくぐり ) というものが広く知られています。
いにしえの昔より 伝えられてきた日本の習俗
人形 ( ひとがた ) の形代 ( かたしろ) に厄 (やく ) を移すという風習
男性は白い人形の紙に 姓名 年齢 を記入して
( 女性は紅い人形の紙に )
体調の思わしくないところを この人形の紙で擦り (さすり)
息を三度吹きかける
( これで人形の紙に厄が移ったとしていました)
腰に付ける "茅の輪”
神社より授かった ”茅の輪” (チガヤで作られる) を腰に付け
三つの唱え詞を唱えながら
神主の後に続いて "茅の輪” をくぐります。
三つの唱え詞 ・ ・
① 水無月の 夏越の祓い する人は 千歳の命 延ぶという
② 思うこと みな尽きねとて 麻の葉を 切りに切りても 祓えつるかな
③ 蘇民将来 蘇民将来 (そみんしょうらい)
茅の輪について
蘇民将来の伝説に関係あると思われます。
備後風土記 に残された伝承 ・ ・
武塔神(むとうしん・むとうのかみ)→スサノオ(天照大神の弟)
牛頭天皇(祇園精舎の守護神)が南海を旅した際
蘇民将来・巨旦将来という兄弟に一夜の宿を所望された。
弟の巨旦将来は裕福な身であったが 客人のみすぼらしい姿を見て断られた。
兄の蘇民将来は貧しい身にも拘わらず手厚くもてなし 粟飯 ( あわめし )を振舞われた。
何年か後に再訪された際 近いうちに疫病が流行るであろう事を伝え
”茅の輪” を授け その際には 腰に付けて お守りとしなさいと告げられた。
お告げを守られた蘇民将来一族は災厄を免れ
巨旦一族は絶えてしまったという ・ ・ 蘇民将来の伝説
この様な六角柱形のものは
日本各地に見られます
(これは近所のものです)
” 茅の輪” を腰に付けて 人形(ひとがた)の形代(かたしろ)は胸に
三つの唱え詞も忘れずに 神主さんの後に続いて
”茅の輪くぐり” を始めます
8の字を描くかのように
左足からまたいで左回り
右足からまたいで右回りしてから
正面の本殿に向かいます。
小さい子からおじいさんまで皆 ” 茅の輪 ” をくぐります
若い世代の人たちも、いにしえよりの日本の風習に習います
厄祓いの行列はずっと続きます ・ ・
* * *
ご神木の ” 大銀杏 ”
紙垂・注連縄も 美しい ” いにしえよりの日本のカタチ ”
池の鯉と ”コウホネ一輪”
こころ惹かれる 竹林にある かなり古い石仏たち
人形 ( ひとがた )の形代 ( かたしろ ) は後日 川に流して浄(きよ)められました ・ ・
(お借りした写真です)
”夏越の大祓” は地域により 内容に違いがあります。