息子が生まれてから毎日通っている病院の新生児集中室ですが、本当にいろ~んな赤ちゃんがいます。
他の赤ちゃんの保育器やコット(ベビーベッド)を覗いたり、触ったりする事は禁止されていますが、両親の方と顔なじみになって話に行くのはOK。なので、色々な赤ちゃんに出会っています。
集中治療室の一番医療介入が多い部屋はレベル3と呼ばれていますが、私の息子も、そこに6週間以上はいました。
が、息子は、病気や内臓等の問題はなかったので、レベル3のナース達からは常に「つまらない赤ちゃん」と呼ばれていたぐらい。(褒め言葉として、つまらない、と言っていたのでしょうが...)
既に手術を何度もしている赤ちゃん、これから手術を控えている赤ちゃん、内臓に異常のある赤ちゃん、非常に深刻なコンディションの赤ちゃん等、話を聞くと心が押しつぶされる程可哀想に感じてしまう赤ちゃん達が沢山います。ご両親達のことを思うと、更に心痛いです。(ちなみに、私が通い始めてからは既に2人の赤ちゃんがこのレベル3の部屋で亡くなっています。)
集中治療室の赤ちゃん達は皆、必死で生きようと頑張っています。
そして、ご両親も皆頑張っています。
毎回、新しい赤ちゃんが入って来る度に、8週間前の自分を思い出します。
なので、出来るだけ、入って来たばかりで心配そうにしているご両親に話しかけるようにしています。
「うちの息子も、生まれたときは1キロもなくて、大変だったけど、今では元気に育っていますよ~。あなたの赤ちゃんも大丈夫!」と言ってあげるだけでも少しは励ましになるはず。
私が集中治療室に入りたての時も、誰か(両親の誰か)が励ましてくれたら、きっとよかっただろうなぁ、と思いますね。
旦那も同じ事をしており、心配そうにしているパパさん達に毎回声をかけています。
男でも泣いていいのだよ、と、パパさん達によく言っています。(旦那も以前は大泣きしていましたから...)
自分が母親になって本当に理解出来るようになったのが、「子供の痛みは私が代わりに負ってあげたい。」という気持ち。
今の息子はもうほとんど痛々しい感じはありませんが、最初の1~2週間は、それはそれは痛々しかったです。
体中がアザだらけ、ほぼ毎日採血、点滴等の針、目の検査で腫れ上がった目、疲れた表情、泣いても声にならないような泣き声、等...
「私が代わりになってあげたい...」と何度も感じて泣きました。
あまりの痛さの為、モルヒネを点滴で入れる必要が数日間あったぐらいです。小さな赤ちゃんにモルヒネ...
今では、痛いプロセスは採血ぐらいでしょうか。
痛みを紛らわせる為に、病院では、濃~い砂糖水を数滴赤ちゃんの口へ入れます。
これを舐めると、あまりもの甘さに、赤ちゃんはなんとなく酔った感じになり、あまり痛みを感じないという訳です。(それでも、泣くときは泣きますけどね~。)
私は、最初の頃はこの砂糖水による鎮痛方法に同意していましたが、途中からは、母乳+おしゃぶりにしました。
母乳は結構甘いですし(砂糖水ほどではありませんが...)、おしゃぶりは普段では使いたくないけど、痛みを紛らわすには最適です。
なので、採血の度に、おしゃぶりに母乳を塗って、チュパチュパしてもらっています。
そうすると、全く泣かなかったり、泣いても頑張ってチュパチュパして直に泣き止んだりします。
そして、手を握ってあげたり、頭や胸に手を当てたりしてあげるだけでも、息子は安心するようです。
早く、頻繁に採血等する必要がなくなれば良いのですが...(採血する度に、体内の血の量が減りって貧血気味になりやすいですしね。)
そうそう、どこでもそうだと思いますが、新生児集中治療室のナース達は、素晴らしいナースもいれば、え~っ?と信じられないようなナースもいます。ドクター達も同じです。
集中治療室に通う他のママさん達とも言っているのですが、赤ちゃんのことをよく理解出来るのは、ナースでもドクターでもなく、ママなんですよね。
ママが赤ちゃんの要求を一番理解出来る存在なんです。
なので、もっと自身をもって、あれこれとナースやドクターに要求していいんです。どんなに小さなことでも、です。
これは、他のママさん達も同じ意見を持っているようで、「あのナースはこうこう言っていたけど、私は絶対にこう思う!」とか、「私の赤ちゃんなんだから、私が一番知っている!」いう声をよく聞きますね。
新生児集中治療室には搾乳室という部屋があるのですが、ここは一応男性立ち入り禁止。
女性だけが集まると、やはり色々な話になりますね。
他のママ達と搾乳しながら話をして、ちょっとしたストレス解消にもなります。
ところで、新生児集中治療室の1泊のお値段、ご存知ですか?
なんと、赤ちゃん一人につき、1泊2000ドルです!
これはあくまでも、1泊するだけのお値段。
医療費を加えると、1泊のお値段が更に高くなります。
アメリカでなくて良かった~!!!と思いますね。
アメリカは政府からの医療に対する社会保険がありませんので、プライベートの医療保険を持っていない限り、全ての医療費は自腹ですから...
「もしここがアメリカだったら、もう今頃借金地獄に入っているよね。」と旦那とよく言っています。
オーストラリアは医療費(パブリック病院の場合)は全て政府が保証しています。(間接的には税金で自分達が払っている事になりますが...)
ありがたや、ありがたや...
ちなみに、集中治療室を卒業した赤ちゃんは、ルーチンに慣れており、夜はしっかり寝て、昼寝も毎日同じ時間に寝る、という赤ちゃんになりやすいそうです。
うちの息子も、現在、夜はスヤスヤ寝て、昼寝時間の1時になると眠りにつき、昼寝時間が終わる3時頃に目覚めます。
これは、私は嬉しいというよりは、ちょっと残念に感じますね...涙
集中治療室で長くいる赤ちゃん達は、自然に、トレーニングされてしまっている、ということです。
我が子を抱っこした後に、ベッドに戻す時、寝ている場合は、目を少し覚ましても、直にまた眠りにつきますし、起きている場合は、そのまま、自分のベッドで嬉しそうにしています。そして、しばらくすると一人で眠りにつきます。
もっと、「ママと離れたくないー!オギャー!」と泣いてくれて欲しかったり...(あ、私の勝手ですね...)
まぁ、退院してからは、家族全員(猫達も含め)一緒のベッドで寝るので、また、状況は変わっていくでしょう...
一緒のベッドだと寝てくれなくてコット(ベビーベッド)を導入しないといけない、とかになるのは嫌だなぁ...(あ、また私の勝手ですね...)
退院してからは、添い寝もしたいし、おっぱい寝かし付けもしたいし、カンガルーケアも沢山したいし、抱っこ癖がついてもいいぐらいです...(今のところは...笑)
集中治療室でトレーニングされてしまったことを脱トレーニングする必要があるかも??