猫の安楽死 | ドゥーラのりこ

ドゥーラのりこ

オーストラリア在住のお産サポーター(ドゥーラ)、ヒプノバーシング™講師、マッサージセラピストです。
妊娠、お産、育児、健康、環境、ホームスクーリングに関しての色々な情報や考えをシェアしています。

安楽死って、動物が可哀想!
人間の都合でやってるケースが多いのでは??

と、ずっと思っていた私ですが...

今回、自分の猫がどれだけ苦しんだか、そして、安楽死という選択で、平安にあの世に行った様子を目の当たりに見て、意見が変わりました。

安楽死は、動物が強く苦しんでいて、治療不可能である場合、致し方ないものですね。

私の愛猫、チャスキーは、生まれつきの障害を持っていて、子猫の時は全く問題なかったのですが、体が大きくなるにつれれ、仙骨、背骨、前足の骨の変形が、神経を押しつぶす様になっていき、徐々に歩く事をやめ、最後には寝たきりになっていきました。

カイロプラクティック治療、針治療、ホメオパシー、アロマセラピー等で、状態は一時的には良くなるのですが、直にまた寝たきりになります。

動けないので、トイレに行く事も出来ず、私達が、マニュアル作業(お腹を優しく押して上げる方法)で排泄させていたのですが、最終的には、マニュアル作業でも、排泄することが出来なくなり、便も尿も貯まっていく一方。これが、とても痛いんです。
めったに泣かないチャスキーがミャーミャー泣くようになった時は、本当に心が痛かったです。

獣医で浣腸&尿管を使用し、大腸や膀胱を空にしていくのですが、獣医師達も、「これでは、普通の生活がおくれていない。安楽死させたほうが良い。」と、口を揃えて言います。

空にしても、また貯まっていく一方。そして、獣医へ駆け込む、ということが繰り返され、毎回外へ出す度、室内猫のチャスキーにとっては、かなりのストレス。(外が怖いんです。)

そのストレスを最低限にする為にも、出張サービスをしている獣医さんにもお世話になりましたが、彼女も「安楽死を...」と提案。

私達に残った選択肢は、

寝たきりで、トイレにも行けず、排泄は浣腸と尿管で、そして、神経の痛みと、大腸と膀胱の痛みを毎日味わわせる、という選択と、

強い痛み止めを使用し、痛みは減らせるけど、痛み止めの副作用で自分の意識もほとんどなくなる。トイレは浣腸と尿管で。寝たきりは変わらない、という選択と、

安楽死させる、という選択のみ。

今まで、食欲だけはなくならなかったチャスキーでしたが、この頃には、食欲もほとんどなくなり、痩せていっていました。

そして、寝たきりのチャスキーの表情は、「もう生きたくない」という顔をしているようでした。

毎日寝たきりで、もう一匹の猫がスラ~と歩いている様子を見て、トイレに自分でも行けない。
そして、背骨とお腹が常に痛い。こんな生活、人間でも嫌ですよね。

完全に治療の予知はない、と断言され、涙ながらに、旦那と安楽死の選択を選びました。

出張サービスをしてくれる獣医さんに頼んで、その日の分の排泄を終えてから、次の日に来てもらうようにアレンジしました。

その晩は、チャスキーと出来るだけ一緒にいれるように、全ての仕事をキャンセルし、最後のチャスキーとの時間を楽しみました。(マッサージのご予約が入っていた方、すみませんでした!)

チャスキーの最後の晩餐は、大好きなレバーを。
食欲のなかったチャスキーもレバーはパクパク食べてくれます。寝たきりの状態で食べるのは大変なのですが...

毎晩、同じベッドで猫達と一緒に寝ているのですが、その晩は、チャスキーが嬉しそうに何時間も喉を鳴らして、私も旦那も眠れないぐらいでした。

このようなことは、今までに一度もなく、「最後の夜だと分かっているのかなぁ~」なんて、思いましたね。

次の日。

朝から、チャスキーはご機嫌。でもなんだか、自分の死が近い事はわかっているよう。

もう一匹の猫、マディーも様子がちょっと違う。やっぱり、動物って、敏感ですね。


マディーとチャスキーは毎朝一緒に日向ぼっこをするのですが、この日は最後の姉妹での日光浴。

この日の朝は、チャスキーに、沢山抱っこをしました。


お昼12時半に獣医さんが来る予定。

リビングルームには、リラックス出来る音楽とアロマを。少しでもリラック出来るように、と。
(2匹とも、リラックス音楽が大好きです。)

そして、亡くなる前のスナックとして、チャスキーには大好物の生バターを。
ペロペロ美味しそうに舐めておりました。
このザラザラ感触のチャスキーの舌も、もう最後なのね、と思うと、悲しい思いでいっぱい。
私も旦那も、今から泣きまくり。

12時半近くになりました。
獣医さん、来るかな?
遅れてこないかな?
遅れて来て欲しいな。

獣医さんなのですが、なんだか、死神が家に来る感じがしましたね。(獣医さん、失礼!)


12時半ぴったりに来てしまった獣医さんと少しお話をして、それから、準備開始。

安楽死って、強い麻酔薬を注射器で入れるのですが、この強い麻酔薬は危険なので、今は麻酔としては使用されておらず、安楽死の時のみに使用されているそうです。

一応、麻酔薬なので、まずは深い眠りにつき、その後、死に至ります。
注射をゆっくりと打っている途中で死ぬのですが、打ち始めてから約5~10秒で、あっという間に心臓が停止するそうです。

麻酔薬を入れる前に、皆でお別れを。
マディーも直ぐ近くに寄ってきます。

旦那がチャスキーを後ろから抱き抱えながら、緑色のいかにも、「猛毒」というような麻酔薬がゆっくりと入っていきます。

チャスキーはとても落ち着いていて、麻酔が入ると、一度目を閉じ、それからは、私の目をずっと見ていました。
マディーも全てを直ぐ近くで見ています。少し心配している様子。

後ろからチャスキーを抱えていた旦那が、「チャスキーの体が柔らかくなってきている」と言い出し始めた頃には、麻酔が完全に効いていたのでしょうね。
数秒後には、チャスキーのひげがふわぁっと垂れ下がり、しっぽがフワッと今まで見た事もないぐらい大きく膨らみました。

死ぬ際に、しっぽの毛がふわっと大きく膨らむのは、神経が完全に抜けた証拠で、魂が抜けた証拠でもあるそうです。

ずっと、私の目を見つめていたチャスキー。
死んだ瞬間、どのような思いだったのかな?

獣医さんが言っていましたが、安楽死て死んだ場合、目は閉じないそうです。
開いたまま、死にます。

チャスキーは、あのキラキラした目で、私の目を見ながら、亡くなりました。
魂が抜けてからも、キラキラした目で私の目を見つめていました。
数秒後に瞳のキラキラ感がなくなっても、私を見つめていました。

チャスキーの死は、とてもパワフルな経験でした。
動物の死ってこんなにインパクトを与えるものなんて、思ってもいませんでした。

ショックと、悲しみと、ほっとした気持ちと、せつない気持ちと、全てが混ざりまくった感情でしたね。

その後は、あまり間が立たないうちに、大便とおしっこが自然に排出され、獣医さんが心臓停止を確認し、死亡が確定されました。
最後に排泄させてから、半日しか経っていなかったのに、こんなにおしっこが貯まっていたんだね、と思うくらい、沢山出ました。

旦那と私はもちろん号泣。テッシュ箱が直に空になりましたね。

死んでしまっても、2時間ぐらいは、抱っこを沢山してあげ、沢山「ありがとね」「大好きよ」を伝え、最後には、旦那のシャツに包め(チャスキーは旦那の臭いが好きだったんです。)、裏庭に沢山のお花と一緒に埋めました。私達の写真とマディーとの写真も一緒に埋めました。

その日以降、心に穴が空いた様な感じで、毎日、チャスキーのことを思い出しては、旦那と一緒に涙を流しています。
まるで自分達の子供のように扱っていたんです、私達。

マディーも、その日から、悲しそうにミャーミャー泣き、家中を探しまわります。
そして、時々、チャスキーが亡くなったスポットに座り、悲しそうに泣くので、私達も心痛みます。
母親猫のお腹の中から今までずっと一緒だった、チャスキーとマディー。
その相棒が、いきなりいなくなるのは、私達人間が想像もつかないぐらい、悲しいことなのでしょうね。

最近では、精神的にも落ち着いてきましたが、やはり、まだ1週間も経っていないので、思い出しては涙が流れますね。

チャスキーは、今頃、天国のどこかで、元気にエレガントな歩き方で、歩き回っているのかなぁ~とよく思います。

チャスキーは、もう苦しんでいない、と考えると、心の支えになります。

チャスキーをお腹のお赤ちゃんに会わせることは出来なかったけど、こんなに可愛い猫と一緒に暮らしていたんだよ、ということをいつか子供に教えたいですね。

お母さん、ここ数日間、かなり悲しんだけど、赤ちゃんをも悲しませてしまったかな?
少しずつ、元気を取り戻して、ポジティブに頑張ります!