前回ご紹介の

ラ・ヴェネクシアーナ

'Round M

Monteverdi Meets Jazz

を聴いて連想したのが

クリスティーナ・プルハール指揮

ラルペッジャータのこちらの盤でした。

 

Monteverdi: Teatro d'Amore

ラッペルジャータ《Teatro d'Amore》通常盤

(Virgin Classics: 5099923614024、2009.1.19)

 

こちらは通常盤です。

 

豪華装丁を謳った

ブック装丁パッケージの

限定版も出ています。

 

 

そちらのブックレットは84ページと

本盤の倍ほどあるようですが

(本盤は44ページ)

あるようですけど

その他に特典ディスクがついている

ということもないようだったので

とりあえず通常盤を購入した次第。

 

 

録音は

2007年8月にオランダはユトレヒトの

ブレデンブルグおよび

2007年1月と11月と2008年1月に

パリにある

ノートル・ダム・ド・ボンセクール協会で

行なわれたようです。

 

オランダのユトレヒトの場合は

今回のプログラムによるライブの前後

かもしれません。

 

というのは

ライナー小冊子の裏(後出)に

ライブ風景の写真が

載っているからです。

 

 

こちらのCDは

ヌリア・リアルが歌っている

CDを買い漁っている時に

購入したのだと思いますが

フィリップ・ジャルスキーも

参加しているので

そちら目当てかとも

思わなくもなく。

 

いや、やっぱりそれはなくて

ヌリア・リアル目当てで買ったら

ここにもジャルスキーが!

と驚いた口かも。( ̄▽ ̄)

 

 

現代風モンテヴェルディというか

ジャズ風モンテヴェルディなら

まず最初に指を屈すべきなのが

本盤の録音だと思っています。

 

ワーナーミュージック・ジャパンの

本盤の紹介ページによれば

モンテヴェルディのマドリガーレを、自由に現代的解釈でアレンジを施したもので、シャンソンのようなジャズのような、たまにフラメンコ味だったりの面白い出来です。実際にジャズのピアノ、ギター、ベースにクラリネットまで出てきたりの即興的な演奏は、普通の古楽とは違った楽しさが感じられる演奏です。

とのことですが

「実際にジャズのピアノ、ギター、ベースに

クラリネットまで出て」くることは

ありません。

 

使用楽器は、ライナーによれば

テオルボとバロック・ハープ

アーチ・リュートおよびリュート

バロック・ギター、プサルテリー

バロック・ヴァイオリン

コルネット、サックバット

ヴァイオル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

リローネ(リラ・ダ・ガンバ)

ヴィオローネ、チェロ

ダブル・バス(コントラバス)

オルガン、チェンバロ、ヴァージナル

パーカッションです。

 

ラルペッジャータ盤では上記の通り

ラ・ヴェネクシアーナ盤のように

サクソフォーンやアコーディオンのような

現代楽器はいっさい使われていませんが

いわゆる古楽器を使いながら

ジャズ風な感じの

スウィングするような演奏を

展開しているわけですね。

 

本盤は

今日的なモンテヴェルディの演奏で

より古楽の様式に近いものとして

その手のものが好きな方に

お勧めできる1枚です。

 

 

なによりも

ヌリア・リアルの声が美しい。

 

フィリップ・ジャルスキーは

もちろん安定の歌唱力で

安定しているだけに

ファンの方には悪いですけど

今さら褒める気にもなれません。( ̄▽ ̄)

 

ラ・ヴェネクシアーナ盤が

Lamento della ninfa

ロベルタ・マメリに

独唱させていたのに対し

本盤ではモンテヴェルディのオリジナル通り

ヌリア・リアルのソプラノ独唱に加え

3人の男声パートも歌われています。

 

本盤でのタイトルは

Amor (Lamento della Ninfa,

Rappresentativo)

となっており、訳すなら

「愛(ニンフの嘆き、舞台様式)」

というような意味になりましょうか。

 

 

'Round M を聴いて

いいと思われた方は

ぜひこちらも聴いてほしい

と切に願う次第です。

 

というか

リリースは同年なので

本盤とラ・ヴェネクシアーナ盤の

どちらがいいかと話題になったかも

と想像するのも楽しく

個人的には本盤に

軍配をあげたいところですけど

ロベルタ・マメリが好き

という人がいても仕方ないかなあ。

(偉そうw)

 

 

こちらは通常盤なので

プラスチック・ケースですが

パカンと開いて

 

ラッペルジャータ《Teatro d'Amore》インナーケース(その1)

 

CDを取り出せばこの通り

 

ラッペルジャータ《Teatro d'Amore》インナーケース(その2)

 

ライブ終了後のステージ写真

しかもワイド版になります。

 

この当時の

ラルペッジャータのメンバーには

チェンバロ、オルガン奏者として

北御門[きたみか]はるが加わっており

 

ラッペルジャータ《Teatro d'Amore》ライナー裏表紙(部分)

(ライナー小冊子裏表紙右下)

 

皆川達夫的に申しますと

そちらにも注目されます。

 

 

なお、本盤は

ずいぶん経ってから

(2023年1月27日に)

LP盤もリリースされましたが

1枚なので収録曲数は

少なくなっているようです。

 

そういえば前回の

ヴェネクシアーナ盤も同じ頃

(2024年3月9日に)

LPでリリースされています。

 

そちらも1枚なので

収録曲数は減ってるんですけど

どうしてもレコードで聴きたい

という需要があるんですかね。

 

いずれもそれだけ

人気がある演奏だという

証左になるかと思います。