前々回の当ブログ

マリア・ケオハネが

ラース・ウルリク・モンテルセン指揮

ヨーロッパ連合バロック管弦楽団と

バッハのカンタータ第51番

《全地よ、神にむかいて歓呼せよ》を

歌う映像を紹介しました。

 

その際、最後に

もうひとつ映像を見つけている

と書きましたけど

それがこちら。

 

 

オランダ・バッハ協会こと

NBS(Netherlans Bach Society)の

映像なので、大丈夫かと思い

念のためのアドレスのアップは

今回は控えます。

 

収録は

2015年12月17日

とのことなので

ヨーロッパ連合バッハ管弦楽団こと

EUBOとの公演の

4年後になります。

 

指揮は

ヨス・ファン・フェルトホーフェンで

トランペットはロバート・ヴァンリーヌ。

 

 

相変わらずの名唱ですが

軽みという点では

EUBOとの演奏に

一歩譲りますかね。

 

EUBO との共演では

譜面台の上に譜面を置いていたので

割と自由に動けたのに対し

NBS との共演の場合

譜面を手に持っての歌唱であるため

身体の自由度が少ないところに

原因があるといえばいえましょうか。

 

カメラ目線があったり

陽気な感じなのは

相変わらずですけど。

 

 

第4曲のコラールを歌う際は

第1ヴァイオリンが佐藤俊介

第2ヴァイオリンが山縣さゆり

と日本人演奏家の揃い踏みです。

 

ということもあり

皆川達夫的観点からは

こちらの演奏を

贔屓したくなりますけどね(笑)

 

 

リハーサル風景が挿入されている

ケオハネへのインタビュー動画も

アップされています。

 

 

素の声が聞けますけど

地声は意外と低い。( ̄▽ ̄)

 

それはそれとして

ケオハネとNBSに限らず

普段着での演奏風景を観るのは

割と好きだったりします。

 

 

ちなみに

EUBO も NBS も

トランペット奏者が吹いているのは

ナチュラル・トランペットではなく

バロック・トランペットだと

思われます。

 

ということを

『文藝別冊 バッハ』(2012)に

「日本人バッハ演奏家の証言⑤」

として掲載されているインタビュー

「神代 修さん(バロック期のトランペット)

 ――トランペットは神の声の代弁者」

を読み、気にするようになりました。

 

ナチュラルの楽器だと

自然倍音だけなので

ファとラの音程が外れがち

というわけで1960年代

(あるいは1959年)に

指孔が開けられたらしく。

 

指孔の開いたものを

ナチュラル・トランペットと区別して

バロック・トランペット

というのだそうです。

 

バロック時代にある旅行者が

ヘンデルの《メサイア》を聴き

トランペットのファの音程は

どうにかならないか

と書き残しているらしく

でも当時はトランペットに

指孔を開けるのは厳禁とされ

罰則も設けられていたのだとか。

 

罰せられていたとは驚きですね。

 

 

神代修のインタビューを読み

EUBO の映像を観なおしてみたら

ステージに登場する場面で

明らかに指孔が空いているのが

分かりますし

今回の映像にしても

指遣いで指孔が空いていると

想像がつきます。

 

古楽器演奏原理主義者としては

なかなか複雑な想いに

かられるのでした。