昨日は冬季講習で池袋へ。
その帰りに寄った
ディスクユニオンの
World の棚で見つけたのが
こちらの盤です。
(KYOTO REDORDS: KYCH-3001、1995.9.1)
ロシア連邦タタールスタン共和国
(旧・ソ連タタール自治共和国)の作曲家
(タスキ[オビ]の表記は
グバィドゥーリナ)と
箏演奏家の沢井一恵
笙演奏家の宮田まゆみが
西洋やアジアの楽器を使って
インプロヴィゼーションを試みた1枚
とでもいいましょうか。
もちろん
宮田まゆみが参加しているので
(そして安かったこともありw)
購入したわけですが
こんなCDが出てるなんて
まったく知りませんでした。
Amazon で
「宮田まゆみ」で検索しても
ヒットしませんでしたから
かなり珍しいのかも。
KYOTO RECORDS
なんてレーベルも
初めて見ました。
Discogs に13枚
アップされてますけど
それをみる限りでは
日本の伝統音楽や
それを踏まえた現代作品の録音が
メインのようですね。
邦題は「異邦人の語らい」ですが
英題は Three Strangers in Paris で
(それとも
『Three Strangers in Paris:異邦人の語らい』
というタイトルなのかしらん)
その英題が示す通り
パリ郊外で録音されました。
白石美雪執筆のライナーと
英語のライナーを参考にして
使用楽器と演奏者を記せば――
沢井一恵が
十七絃箏、二十絃箏、Ajaeng(韓国箏)
宮田まゆみが
笙、空き瓶、櫛、風鈴
チャイニーズ・ヘルス・ボール
(手のツボを刺激する2個の玉)
グバイドゥーリナが
ピアノ、箏
Angklung(インドネシアの竹製の民族楽器)
Dilruba(インドのリュート)
Gopi jantra(インドのドラム)
Buben(タンブリンのような民族打楽器)
Buben は英語のライナーには
European folk drum
と書かれていますから
これは西洋の楽器のようです。
あと、英語のライナーに
Japanese wind chimes
(日本のウィンド・チャイム)とあって
何かなと思って検索したら
風鈴のことでした。
chime が「チャイム」と
読めなかったという……。( ̄▽ ̄)
白石のライナーには
書いてなかったんですけど
まあ他の担当楽器を鑑みるに
宮田の演奏かと思います。
基本的な音の流れと時間を
グバイドゥーリナが示した以外は
互いに互いの音を聴いて
自分の音を重ねていったそうです。
聴いてみた印象は
怪談映画の効果音か
特撮映画で
サスペンスと名付けられそうな
SE(サウンド・エフェクト)を
聴かされているような感じ。
ピアノや奏などの
通常の楽器はおそらく
通常の弾き方をしていないので
効果音の重なりのようにしか
聞こえないのですね。
メロディーがないのはともかく
リズムもない(と思う)ので
ミニマル・ミュージックとも違う感じ。
いずれにせよ
もはや楽曲ではない
という気がします。
タスキ(オビ)に
「未知へのサウンド・トリップ」
というコピーが載ってますが
それが本盤の性格を
よく表していると思いますね。
だからまあ、そうですね
ミニマル・ミュージックでない
と書いておきながら、何ですけど
ミニマル・ミュージシャンでいえば
ラ・モンテ・ヤングの曲を
退屈せずに聴ける方におすすめ
といったところでしょうか。
ミニマル・ミュージックとは違い
単純反復ではありませんけど
個人的な印象としては
楽器のドローンが
延々と鳴っている感じにも
近い感じがしたのでした。
なにはともあれ
宮田まゆみディスコグラフィを
作ろうと思っている人なら
欠かせない1枚でしょう
……って、なんじゃそりゃ。
まあ、そういうことです。( ̄▽ ̄)