翻訳ミステリを読んでいると
ときどき「ボクシング・デー」
という言葉を見かけます。
クリスマスの翌日
12月26日のことで
たいてい割註がついてました。
ここでは Wikipedia を参照すると
クリスマスも仕事をせねばならない
使用人に休みを与えて
家族と過ごさせる習慣のことで
その際に主人が贈り物を入れて
配ったそうです。
綴りが boxing day で
スポーツのボクシングと同じなので
割註がなければ何のことやら
わけが分からない
という感じの言葉でした。
Wikipedia を見ると
イギリスとその旧連邦国などに
よく見られる習慣だそうですが
アメリカにないようで
ちょっと不思議な気がします。
それはともかく
クリスマス・イブから
本日まで連続して
塾の採点でしたので
たまたま本日
注文していた洋書が届き
まるでボクシング・デーの
贈りものをもらった気分だと
いいたいがためのマクラでした。(^^ゞ
届いたのはこちら。
(HarperCollins, 2022)
マーティン・エドワーズの
The Life of Crime:
Detecting the History of
Mysteries and Their Creators
というミステリ通史で
コリンズ・クライム・クラブという
有名な叢書の一冊です。
ダストジャケット
(日本でいうカバー)を外せば
本体はシンプルに赤いだけですけど
見返し部分の全て(4ページ分)に
様々な作品のダストジャケットが
印刷されています。
こちら、とにかくでかい。
少し前に購入した
岩波書店から出たばかりの
『ルミナリーズ』よりも
大きいです。
比較のために
以前,当ブログでご案内の
並べてみました。
『十三人組物語』は
四六変型判で
一般的な単行本の
大きさ(高さ)と同じです。
総ページ数は726ページで
束の厚さは6センチ近くあります。
上の写真でも分かる通り
洋書には珍しく
スピン(紐)が付いてました。
値段のことを云々するのは
気が引けますけど
こちらは Amazon で
新刊で注文した時
5000円とちょっとしました。
上掲写真の
『ルミナリーズ』が
732ページで
6600円+税ですから
信じられないくらい安い
と思わずにはいられません。
マーティン・エドワーズの
The Golden Age of Murder
(2015)の邦訳書
『探偵小説の黄金時代』が
2018年に国書刊行会から出たときは
457ページで4600円+税ですけど
ページ数のことを考えれば
はるかに安いかと。
まさか
洋書の方が
和書より安いと
感じる日が来るとは
思いもよりませんでしたよ。
本書については
ミステリ系の同人誌
『Re-ClaM』第9号に
(Re-ClaM 事務局、2022.11.20)
同誌の発行人である
三門優祐氏が書いた
レビューが載っています。
それを読んで
購入しようと決めたのですが
そこでは Kindle 版もまだまだ高い
と書かれていましたけど
いや、これは
費用対効果を考えたら
安いといっても
いいくらいではないかと
思った次第です。
こんな扱い勝手の悪そうな本より
Kindle 版の方がいいというのが
昨今の風潮かもしれませんし
そして確かにKindle版の方が
使い勝手は良さそうです。
でも
昭和な人間なものですから
書物という形で
手許に置かずには
いられないのですよ。
ほんと
連日採点に出かける自分にとって
まさにボクシング・デーを彩る
プレゼントなのでした。
(自分で買ったんですけどねw)