ピエタ女子養育院における
《グローリア》ニ長調 RV589 の
演奏を再現してみせた
Vivaldi Gloria at La Pieta, Venice
と題するイギリスのBBC制作の映像が
YouTube にアップされています。
以前、《グローリア》について
いろいろと検索している時に
とあるブログで
紹介されていたものです。
これを観ていただければ
先にティツィアーノ・スカルパの小説
『スターバト・マーテル』(2008)から引用した
アントニオ神父の協奏曲が初めて演奏されるときの
モノローグの情景、すなわち
演奏した場所が中廊であることや
演奏者の前に張られていた柵は
どういうものだったかということなどが
よく分かるのではないかと思います。
それより何より
男声をいっさい入れず
女声だけで演奏しているのがすごい。
器楽演奏もすべて女声奏者のみ。
BBCのこだわりというべきか
イギリス人が歴史を再現する際の
こだわりというか、情熱が
よく分かります。
〈ラウダムス・テ〉の二重唱では
中廊の両翼から掛け合いで歌うのが
すごいですね。
一方の奏者の衣裳の色が赤なのは
なぜなのかは分かりませんけど
コンサートマスター的な扱い
ということでしょうか。
〈ドミネ・デウス、レックス〉の映像では
オーボエの他に通奏低音楽器
(チェロ、リュート、チェンバロ)が
演奏されている様子が観られます。
音のバランスが美しい。
〈ドミネ・デウス、レックス〉だけ
どこかの個室で
演奏されているように見えるのが
ちょっと首をひねりますけど
〈クィ・セデス・アド・デキシトラム〉
その他の演奏で確認できる
両翼がつながる正面あたりでしょうか。
この映像、DVDになっていないのか
と思って探してみたところ
同じメンバーによるとは思えませんが
同じ主旨に基づいて録られたと思われる
DVDを見つけました。
それについては、また
機会がありましたら
ということに。