アーノンクール『音楽は対話である』

(1984/那須田 務・本多優之訳、

 アカデミア・ミュージック、1992.11.1)

 

副題「モンテヴェルディ・バッハ・

モーツァルトを巡る考察」

 

2006年に同じ版元から

改訂第2版が出ているようですけど

(ということは改訂第1版もあるのかしらん)

こちらは本邦初訳ヴァージョンです。

 

 

以前、こちらのブログで

就眠儀式代わりに読んでいる

と書きましたけど

昨晩、読み終りました。

 

最後の四章分ほどは

就眠儀式ではなく

晩酌の傍ら

一気に読み終えたんですけど。

 

 

この本は

古本で買ったのだと思いますが

どこで買ったかは覚えていません。

 

古楽が好きなんだから

一度は目を通しとくべきだと思い

購入したわけですが

例によって

すぐに読んだわけではなく

今回、初めて読み通した次第。(^^ゞ

 

 

自分が古楽にハマった頃

アーノンクールの令名は

すでに轟いてました。

 

当時、バッハはともかく

モンテヴェルディやモーツァルトには

あまり関心が持てなかったんですが

念のため資料として持っとこう

いつか役に立つかも

というくらいのノリで

買ったものかと。

 

でも、今回、読み終えてみて

まさに今が読むべきタイミングであり

自分にとっての読みごろだった

と思うに至っています。

 

 

というのも

ヴィヴァルディの伝記本などを読んで

バロック時代のオペラに

関心を持ちかけているからこそ

モンテヴェルディの章はもとより

モーツァルトのオペラ

『イドメネオ』について書かれた章を

面白く読めたのだと

思うからです。

 

『イドメネオ』についての章で

モーツァルトがオペラ歌手の扱いに

苦労している件りは

まさにヴィヴァルディ、および

ヴィヴァルディと同時代のオペラ作曲家が

ヴィルトゥオーソ歌手に苦労していた

という件と重なるわけでして。

 

ヴィヴァルディへの興味が

先行したがゆえに

楽しめたのかなあとも

思ったりするわけですね。

 

 

モンテヴェルディについてもそうで

ヴィヴァルディ以前の

ヴィネツィアにおける

バロック声楽曲の完成者に対して

関心がなければ

読んでても退屈だったでしょう。

 

そのモンテヴェルディが

やろうとしたこと、やったことと

モーツァルトのやろうとした

ないし、やりたかったことが

『イドメネオ』の章で重なるあたりは

構成の妙なのか偶然なのか。

 

いずれにせよ

音楽史における天の配剤

というべき面白さには

感心させられた次第です。

 

これは自分の興味が

バッハだけに限られていたら

味わえなかった面白さで

まさに今の自分にとって

読みごろになった1冊でした。

 

 

そしてそのバッハに関する章を読んで

アーノンクールが録音した

ヨハネとマタイ、そしてロ短調を

聴いてみたくなりまして。

 

実をいえば

今まで、上にあげた楽曲の

アーノンクールの録音は

購入を控えて

聴いてなかったのです。(^^;

 

気にはなっていたんですけど

懐の都合もあって

レオンハルト盤があればそれで充分

と納得させてきたというか

後回しにしてきてたのでした。

(ヨハネに関しては

レオンハルト盤がないわけですが……)

 

 

今、再発盤が出てて

入手しやすいようですし

どうしようかと迷っている最中。

 

誘惑に負けて

買って聴いて感銘を受けたら

またこちらでも取り上げてみたい

とか思ったりしてます。

 

 

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