本日は表題のイベントのため

例によって転ばぬ先の杖を携え

調布市の名刹、深大寺まで

行ってきました。

 

こちら↓が公式プログラムです。

 

調布国際音楽祭2019パンフ

(2019年6月20日発行)

 

6月23日に

オープニング・コンサートがあり

本日から30日まで

調布市の各ホールにて

(時間帯によっては駅前でも)

さまざまなコンサートが開かれる

調布国際音楽祭。

 

自分はチケットぴあのおすすめで知り

お寺の本堂で古楽器が鳴り響く

というのに惹かれて

チケットを注文しておいたのでした。

 

 

行きは少し早めに家を出て

小田急線、井の頭線、京王線を乗り継ぎ

調布駅を降りてからは

さらにバスに乗って

深大寺へ。

 

山門をくぐる前に

ご存知、深大寺そばで腹ごしらえ

というわけで「そばごちそう 門前」さんで

粗碾[あらびき]そばをいただいてから

 

粗碾そば(そばごちそう 門前)

 

本堂脇の日陰で待つことしばし。

 

時間が来ると係員が

チケットの整理番号順に誘導し

本堂に用意された脇息のような椅子の

空いているところに自由に座る

という流れでした。

 

 

今回のコンサートでは

プログラムの演奏の前に

深大寺ご院内僧侶6名による

天台聲明の詠唱がありました。

 

それに先立ち

深大寺の執事から

ご挨拶と説明があり

西のグレゴリオ聖歌に対し

東の天台聲明といわれるくらい

人口に膾炙している

というような話が出てました。

 

ひとつの文字にさまざまな旋律をつけて

長く詠唱するそうですが

なるほど確かにその点だけ見れば

グレゴリオ聖歌に似ているかも

とか思ったことでした。

 

 

天台聲明の詠唱が終わった後

オーボエ奏者の三宮正満さんと

チェンバロ奏者の水永牧子さんが

ご本尊の後ろから出てきて

おもむろに演奏が始まりました。

 

以下、パンフレットを参考に

セットリストをあげておきます。

 

01.バッハ:シンフォニア ヘ長調 BWV 156/1

02.スカルラッティ:ソナタ イ長調 K 208

03.バッハ:シンフォニア ホ短調 BWV 76/8

04.バッハ:アリア「神は、全てを麗しく

   成し遂げて下さいました」BWV 35/4

05.バッハ:ゴルトベルク変奏曲から5曲

06.スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K 141

07.プラ:オーボエ・ソナタ ハ短調 D:I. 1

en.バッハ「主よ、人の望みの喜びを」

 

バッハ作品番号(BWV)の1から200までは

教会カンタータという

礼拝用の音楽に当てられてますので

シンフォニアとアリアはすべて

教会カンタータの一部となります。

 

シンフォニア ヘ長調の原曲は器楽合奏曲、

シンフォニア ホ短調の原曲は三声部ソナタ

(オーボエ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、通奏低音)、

アリアの原曲はアルト独唱の声楽曲なので

今回の上記3曲はいずれも

二重奏用にアレンジされたもの

ということになります。

 

アンコールの「主よ、人の望みの喜びよ」も

原曲は教会カンタータ第147番の

最後に歌われるコラール(合唱曲)ですが

「主よ、人の望みの喜びよ」

というタイトルのピアノ編曲版で

よく知られている曲です。

 

ゴルトベルクから演奏されたのは

冒頭のアリアと第7変奏、第13変奏、第14変奏、

第30変奏(クォドリベット)の5曲で

パンフにはそれぞれ

奏者の水永さんがつけた標題が

記されていますけど

それは音楽祭に行った方のお楽しみ

ということにして

こちらでは省略します。

 

このゴルトベルクと

スカルラッティのソナタは

チェンバロ独奏で

その他はオーボエとの二重奏となりますが

曲によっては通常のオーボエではなく

オーボエ・ダモーレおよび

オーボエ・ダ・カッチャで演奏。

 

 

最初のシンフォニア ヘ長調のあとに

通常のオーボエについてのレクチャーがあり

オーボエと同じダブルリードの楽器である

ペルシャ由来のチャルメラと

トルコの楽器であるメイ、

それが日本に渡来した楽器である篳篥

[ひちりき]の音色が紹介されました。

 

オーボエの先端部、

先が広がった部分を

その形状からでしょうけど

「ベル」というようですね。

 

オーボエ・ダモーレは

ベルの先がすぼまっているもの、

胴が湾曲してベルが真鍮で出来ている

ダブルリードの楽器が

オーボエ・ダ・カッチャと呼ばれるのは

ホルン(コルノ・ダ・カッチャ)と

形状が似ているから、など

いろいろと興味深い話が出てきて

勉強になりました。

 

チェンバロは、好きなこともあり

構造その他、それなりに知っていますが

オーボエについては

まったく無知でしたから。

 

 

アンコールでは

3Dプリンターで作られた

プラスチック製のオーボエという

三宮さん曰く「イカの骨」のような

見た目の楽器が演奏されました。

 

音色は

普通のオーボエと比べても

遜色なかったです。

 

 

終演後は入口のあたりで

物販と、そこでのCD購入者限定の

サイン会が開かれてました。

 

水永さんのCDはすべて

持っているものだったのですが

三宮さんのCDは持っておらず

しかも当日演奏された

世界初録音だという

プラのソナタが入っていたので

そちらを購入し

パンフにサインしてもらうことに。

 

演奏者のサイン

 

上が水永さん

下が三宮さんのサインですが

まったく読めない。( ̄▽ ̄)

 

ちなみにこのとき水永さんから

使用楽器がタスカン(フレンチ・スタイル)だと

教えていただきました。

 

 

こちらが当日購入のCDです。

 

三宮正満『ヴィルゥオーゾ・オーボエ』

(アントレ編集部 EBM-202010、2003.4.25)

 

製造販売はブレーンミュージック。

 

CD番号のEがアントレの頭文字で

BMがブレーンミュージックの頭文字

ということでしょうかね。

 

 

スペインの作曲家である

ジョアン=バプティスタ・プラと

ジョセップ・プラは兄弟で

オーボエ・ソナタは

二人の合作のようです。

 

オーボエ・ソナタは本来なら

チェンバロとチェロによって

通奏低音が演奏されるようですが

今回のプログラムは

チェンバロのみのアレンジ版。

 

第1楽章が

チェンバロのソロで始まるところや

第2楽章の最後で

オーボエのソロになるところなど

非常に印象的な曲でした。

 

 

今回はドイツのバッハに対し

生まれはイタリアですが

スペインで活躍したスカルラッティと

2人よりは少し後の世代になる

プラ兄弟を持ってきて

ドイツとスペインのバロック音楽の競演

という趣向だというふうに

MCで水永さんが話してました。

 

スカルラッティのニ短調ソナタと

プラ兄弟のオーボエ・ソナタは

どことはなしにスペインな感じがされて

印象に残りましたけど

チェンバロはフレンチだし

ちょっと無理繰りな気も

しないではなかったり。( ̄▽ ̄)

 

でもまあ、やっぱりバロックは

特にチェンバロは、いいもんですね。

 

 

行きは上にも書いた通り

電車を乗り継いでいきましたが

帰りは、バスを使えば

小田急線の駅まで行けることが分かったので

行きよりは安くつきました。

 

最初から

そういう経路で行けば

良かったんですけどね。

 

世の中やはり、ままなりませぬ。

 

 

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