ワイセンベルク『バッハ/パルティータ集』

(ワーナーミュージック・ジャパン

 WPCS-50504、2006.2.22)

 

録音年は1966年の2月から4月にかけて。

 

先週の水曜日に

塾の会議があって立川に行った際

当地のディスクユニオンで

見つけたものです。

 

収録曲とジャケット デザインが同じで

右肩のロゴマークだけが異なる

EMI 盤があり

本盤はおそらく

それの再発盤かと思いますが

詳細は不詳。


 

アレクシス・ワイセンベルクは

ブルガリア生まれのピアニスト。

 

バロックのレパートリーが

メインの演奏者ではないので

これまで当方のアンテナに

引っ掛かってきませんでしたし

バロック音楽を紹介するガイド本などでも

名前を目にした記憶はありません。

 

にもかかわらず手を伸ばしたのは

たぶん吉田秀和の本に触発されて

古楽器演奏以外のバッハも聴いてみようか

という気になったのだと思います。

 

安かったこともありますけど。(^^ゞ

 

 

そしたら

帰宅してから聴いてみると

まるでグレン・グールドのような

音の粒が揃ったクリアな演奏で

びっくり。

 

ライナーの経歴を読むと

ワンダ・ランドフスカにも

師事したことが書かれており

なるほどと腑に落ちる一方で

ランドフスカとは違うスタイルのような

気もしたことでした。

 

とにかく楽章によっては異様に速く

こういう速さは、ランドフスカからは

感じられなかったものです。

 

これはグールドだっ!

と思ったんですけど

検索してみると

なんとグールドが誉めている

ピアニストの一人でもありました。

 

1977年に放送されたラジオ番組の中で

ワイセンベルクとそのロマン派の演奏を取り上げて

自分はロマン派の音楽を聴くのは我慢できないし

レパートリーにもしないけれども

ワイセンベルクの演奏なら

我慢して聴くことができる

というようなことを言っているとのこと。

 

その発言が訳載されているという

『グレン・グールド発言集』(1999)は

まだ持っていなかったので

あわてて注文した次第です。

 

もっとも「日本の古本屋」で

ですけど。(^^ゞ

 

 

本盤は

バッハのパルティータ全6曲の内

第4番のみ未収録で

ちょっと不安はありつつも

これで全集かと思って買ったのでしたが

帰ってから調べてみると

やっぱり全集盤も出ているようでした。

 

なんで本盤では4番だけ抜いたのか

ライナーにも書かれていないので

よく分かりません。

 

ちなみにライナーには

磯山雅による楽曲解説が載っているのに

自分もかなり影響を受けた磯山の著書

『バッハ=魂のエヴァンゲリスト』(1985)には

ワイセンベルクの名前が見られず

不思議といえば不思議だったり。

 

 

演奏があまりにグールドっぽかったので

他の演奏もそうなのかどうか気になって

2枚ほど出ているバッハの再発盤を

注文してしいました。

 

まだ届いてませんけど

聴くのが楽しみでなりません。

 

パルティータの第4番は

全集盤の中古が

Amazon に出ていますけど

高価で、とても買う気になれず

いつか再発されることを

期待するばかりです。

 

 

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