(プランクトン VITO-114、2012.10.10)
お目当ての1枚があって
ディスクユニオン渋谷店に行った
と書きましたけど
それが今回ご紹介のCDです。
ペンギン・カフェ・オーケストラの代表
サイモン・ジェフスの息子である
アーサー・ジェフスは
亡くなった父の衣鉢をつぎ
ペンギン・カフェという名前で
バンド活動をしています。
そのバンドの持っていなかったCDを
たまたまディスクユニオンの池袋店で購入。
『The Imperfect Sea
〜デラックス・エディション (+4) 』
(プランクトン VITO-127、2017.7.20)
そのライナーに載っていた本盤の紹介を読み
興味を抱いて検索してみたところ
渋谷店にあるのが分かったので
地元のスーパーに買い出しに行くついでに
足を延ばしてみたのでした。
ずいぶんと長く延ばしたものですが
要は、出かける言い訳がほしいわけでね。(^^ゞ
ペンギン・カフェ・オーケストラ
およびペンギン・カフェのCDだと
ジャンルとしては
プログレッシブの棚に
置かれていることが多いんですけど
サンドッグのCDは該当の棚になく
結局、店員に探してもらったところ
ロックの棚に置いてありました。
CDのオビ(タスキ)には
「アンビエント/ポスト・クラシック」
と表示されているんですが
渋谷店の値札には
「ポストロック」と表示されてました。
ここらへんのジャンル分けは難しい。
棚づくりは
商品を扱った店員の胸三寸で決まる
といって悪ければ
こだわりで決まる、といっても
過言ではないわけでして
自分の理解で探してみて見当たらなければ
聴いた方が速い。( ̄▽ ̄)
まあ、
分類に困るようなジャンルに限って
好きになるという
当方の趣味の問題でも
あるわけですけど
それはともかく。
サンドッグは
上にも書いた通り
ペンギン・カフェのリーダー
アーサー・ジェフスと
クラシック・ヴァイオリンの
オリ・ランフォードとのユニットです。
ジェフスが
ピアノやダルシトーン、
フェンダー・ローズ
ハルモニウムといった鍵盤楽器を使い
それにヴァイオリンを重ねる
という方向で作曲されていて
楽曲はミニマリズムのスタイル。
マイケル・ナイマンの楽曲
特に映画『ピアノ・レッスン』の曲を
連想させるものが多くて
まさに自分がイメージする
ミニマリズムに近いので
実に満足の1枚でした。
ライナーの解説によれば
アーサー・ジェフスは
フィリップ・グラスの音楽に
影響を受けているそうで
そうであってみればなおさら
自分が満足するのも
ゆえなしとしないわけです。
フェンダー・ローズというのは
フェンダー社のローズ・ピアノのことだそうで
楽器としてはエレクトリック・ピアノです。
ローズ Rhodes は
開発者の名前のようですね。
ハーモニウム(ハルモニウム)は
リード・オルガン
すなわち足踏みオルガンのこと。
ダルシトーンは
鍵盤で音叉を叩いて音を出す楽器で
形状はアップライト・ピアノに
似ているのだとか。
……というふうに
辞書的には理解できても
この曲はこの楽器だという聴き分けは
自分の耳では無理っぽいです。
とはいえ
どの曲がどの楽器を使い
どういうふうに録音したか
ということは、すべて
ジェフス自身が解説で書いてますから
自力で聴き分けが出来なくとも
まったく問題はないわけで
その日本語訳も付いているのは
ありがたい限り。
マイクの位置などを工夫したり
楽器に負荷をかけたりして
変わった音を録ろうとしているので
プリペアド・ピアニストのハウシュカが
ヴァイオリニストのヒラリー・ハーンとコラボレートした
『シルフラ』(2012)と並べて棚に置けば
しっくりするのでは、と
日本語のライナーに書かれています。
(執筆は渡辺亨という人)
(ユニヴァーサル・ミュージック
UCCG-1576、2012.5.30)
『シルフラ』は
ハウシュカを買い漁っていた頃
流れで聴いたことありますけど
あちらよりも本盤の方が
良い悪いは別として
メロディアスで耳ざわりがいいと
個人的には思います。
そこらへんが
ナイマンを思わせるところで
グラスから影響を受けたというのも
なるほどなあと
頷けるところなのでした。
ちなみにタイトルの insofar ですが
「insofar as 〜」という熟語で
「〜する限りにおいて」
「〜する範囲において」
という意味になるそうです。
アメリカ英語だと
「in so far as 〜」となるようで
「far」自体は
「遠方」という意味の名詞だそうですから
「insofar」を「in so far」の合成語と見なせば
「遥か彼方で」というくらいの
意味になるでしょうか。
読みをカタカナで書くと
「インソファー」
あるいは
「インソーファー」かな?
ユニット名のサンドッグ Sundog は
「幻日」という意味だそうです。
幻日とは何か、については
リンク張っときましたんで
そちらでご確認ください。
(手抜きスマソ、あと長文も)