『ダイヤルMを廻せ!』原作本

(1953/圭初幸恵訳、論創海外ミステリ、2018.5.30)

 

1954年に公開された

ヒッチコックの同名映画の

原作戯曲です。

 

映画の方は、昔

まだ田舎にいたころに

テレビの洋画劇場で観た記憶があります。

 

が、かなり前なので

内容はすっかり忘れてました。

 

だから

第2幕・第2場の殺人の場面では

びっくりさせられてしまったという。

 

忘れるのも悪くはないものです。( ̄▽ ̄)

 

 

作中でテレビの脚本家が

「物語は作者の意のままに展開」するから

「紙の上でなら」完全犯罪も可能だけれど

「これが実生活となると」

「そんなにうまくは転がりませんので」

という場面があります。(p.76)

 

本作品での犯人の計画も

思わぬ出来事によって狂ってしまいます。

 

その思わぬ出来事に

びっくりさせられたわけです。

 

 

倒叙ものなので

犯人がどういうミスを犯すのかが

読みどころとなるわけですけど

本作品においては

そこにもひねりがありまして

犯人が実際の犯行でミスを犯すのではなく

犯人の与り知らぬところでミスが生じ

計画が狂った後の善後策でミスを犯す

というのが(というのも)

ポイントかと。

 

その他のミステリ的なポイントや

映画との比較は

40ページ近くある解説で

縷々説かれており

読み応えがありました。

 

ミステリ的なポイントだけでなく

戯曲が上演されるまでの経緯とか

(ちなみに初演は1952年)

アメリカ版とイギリス版とで

表現が微妙に違うことなど

トリヴィアルな知識が満載です。

 

 

三谷幸喜の文章は序文ですが

読むのは最後に回しました。

 

自分ならこう演出するという話の流れで

イギリスの演劇事情を垣間見ることができ

興味深かったですね。

 

 

解説では

映画『暗くなるまで待って』(1967)も

ノットの原作に基づくことが書かれていて

これは知らなかったので

ちょっとびっくり。

 

『ダイヤルMを廻せ!』は

DVDを持ってますけど

『暗くなるまで待って』は

持ってなかったなあ。

 

また探し物が増えてしまいました。(´・ω・`)

 

 

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