(ユニオンレコード GU-30、1979.2.25)
発売年月日は
レコード本体にもジャケットにも
記されていませんで
『高田みづえコンプリート・シングルズ』の
ライナーに記載されたデータに拠ります。
ユニオンレコードは
テイチクレコード
(現テイチクエンタテインメント)の
サブレーベルです。
前の記事にも書いた通り
アイドル・ソングのシングル盤は
『レコード・コレクターズ』
2015年1月増刊号に基づいて
聴いたり集めたりしているのですけど
LP盤(アルバム)の方は
『昭和歌謡ポップスアルバムガイド
1959−1979』(2015)が
指針となっています。
これも前の記事に書いたように
『レコード・コレクターズ』
2015年1月増刊号だと
高田みづえは
「硝子坂」と
「ビードロ恋細工」の
2曲が選ばれているのですが
『昭和歌謡ポップスアルバムガイド』の方でも
アルバムが2枚選ばれています。
その内の1枚が今回紹介する
『ドリーム・オン・ドリーム』です。
シングルでリリースされた
「女ともだち」
「ドリーム・オン・ドリーム」と
それぞれのB面曲を含む
全12曲収録。
A面でいきなり
失恋ソングが3曲続いたりして
ちょっと驚きましたけど
これがB面になると
駆け落ちソングが
2曲続いたりします。
失恋ソングは
別れのシチュエーションの違いで
彩りをつけるしかない気がするため
3曲も続くと
またかという気がしますけど
駆け落ちソングの方は
ちょっと工夫されています。
駆け落ちソングの1曲目
「女ともだち」のB面
「泣きながらカナリヤ」で
家族を捨ててあなたと行けない
要するに
駆け落ちを拒否した少女が
歌われます。
(ある意味、失恋ソング?)
その曲に続く
アルバム・オリジナルの
「落葉よ風に踊れ」は
駆け落ちした少女が抱く
故郷に対する想いが歌われて
ある意味、
アンサーソングになっているのが
ちょっと面白い。
アルバム・オリジナルの
「星の長距離でんわ」で
なかなか告白できない
少女の心情を歌ったかと思えば
それに続く
「ドリーム・オン・ドリーム」が
シングル・カットされたときのB面
「告白びより」では
告白した日のことなんか
よく覚えてない、
もうひとり憧れた人もいたし
というふうに
男心を軽やかに翻弄する
少女を歌ったり。
そして、B面の最後で
「告白びより」の歌詞にある
覚えてないわ
という言葉にこめられた
ニュアンスを受けるかのように
「愛を軽やかに クチにして」
「色彩[いろど]る言葉を 散りばめて」
「何事も星うらないのせいにしましょうよ」
と歌い出すアルバム・タイトル曲で
締めています。
こんなふうに
特にB面は
曲の並べ方に意識的なものを
感じさせられて
誰が構成を考えたのか
分かりませんが
おやっと思わせるところがあり
ちょっといいですね。
ところで
高田みづえのアルバムは
引退前にリリースされた
最後の3枚が
発売当時
CDで同時に出たのを除いて
これまで一度も
CD化されたことがないようです。
CD-BOX は出ているものの
アルバムそのものの復刻では
ないみたいですね。
これは
他のアイドルに比べると
実に不思議。
だから
アルバムを聴くには
中古レコードで
探さなければならないのですけど
改めて探そうとすると
これがなかなか見つからず
ようやく
神保町のタクトで見つけたのが
今回のレコードなのでした。
スクラッチ・ノイズが
ちょっと気になりますけど
そういう意味では貴重盤。
とか書いたりすると
続々と見つかったりして(笑)
ほんとにそうなったら
嬉しいんですけどね。
今回、レコードを取り出して
びっくりしたのは
シールが封入されていたこと。
これは珍しいというか
こんな封入特典も
あまり見ないですねえ。
昭和のテイストを感じます。
それとも
ユニオンレコードのテイストかな?( ̄▽ ̄)