(テイチクエンタテインメント
TECH-38192〜4、2008.8.27)
初盤は2005年に発売されたようで
上の発売年月日は再発盤のものです。
自分のアイドル曲収集の
指南役と化している
『レコード・コレクターズ』
2015年1月増刊号に掲載された
「評論家の選ぶベスト100
1970−1979」には
高田みづえの曲が
第32位「硝子坂」(1977)
第88位「ビードロ恋細工」(同)と
2曲、選ばれています。
「硝子坂」は超有名なので
空で歌えますが
「ビードロ恋細工」の方は
記憶にありませんでした。
高田みづえは
テレビに出演した時に歌っていた曲が
ごく自然に入ってきたという感じで
特にファンではなかった
ということもあるでしょう。
それもあって上の2曲に関しては
中古でシングル盤を買えばいいか
というくらいの
軽い気持ちでおりました。
そうする内に両盤とも
中古で見つけたんですが
(右:ユニオンレコード UC-30、
左:ユニオンレコード UC-50)
なんと「硝子坂」の方は
タイトル曲が針飛びを起こしてしまい
がっかり。(´・ω・`)
それで、悔しくなって
検索して探して買ったのが
『コンプリート・シングルズ』なのでした。
そしたら、これが大あたり!
全3枚を時系列順に聴いていくうちに
要所要所で懐かしい歌に出くわし
またそれがどれも良曲で
しかも(といったら失礼ですが f^_^; )
歌が上手い!
決して
「硝子坂」だけの歌い手では
なかったことを
思い知らされた次第です。
「硝子坂」以外では
「潮騒のメロディー」(1979)
「私はピアノ」(1980)
「そんなヒロシに騙されて」(1983)
あたりが代表作かと思いますけど
よく考えたら、これみんな
カバーか競作ですね。
「硝子坂」も、もともとは
木之内みどりの
アルバム・タイトル曲です。
というか解説によれば
木之内みどりのアルバムと同年に
リリースされたらしい。( ̄▽ ̄)
個人的には
「花しぐれ」(1978)や
「女ともだち」(同)が
懐かしいというか
サビのフレーズを聴いた途端に
記憶を揺さぶられました。
「花しぐれ」は都倉俊一作・編曲
「女ともだち」は筒見京平作曲・高田弘編曲。
歌詞はどちらも松本隆です。
「花しぐれ」の
イントロのギターと
サビの歌詞
♪五月雨・春雨・長雨
雨にもいろいろあるけど
というフレーズのカッコよさ。
「女ともだち」の
Cメロでの転調(?)と
それに合わせて
♪ねえ 真知子 どうおもう?
と呼びかけ調の歌詞になるあたり
こ、こ、これは〜!!! という感じで
当方の記憶に働きかける力が
ハンパじゃなかったです。
「女ともだち」は
歌詞も切なくてですねえ、
これは大傑作の1曲でしょう。
「涙のジルバ」(1981)の出だし
「夢伝説〈ペルシャン・ブルー〉」(同)、
「愛の終りに」(1982)、
「ガラスの花」(同)、
「通りすぎた風」(1983)、
「秋冬(しゅうとう)」(1984)のサビ
「原宿メモリー」(同)の出だし
「かげふみ」(同)のサビ
などなど
いずれも空で歌えはしませんが
記憶にあるものばかり。
ちょっと知らない曲が続くかなあ
と思っていると
上にも書いたように
要所要所で
記憶に引っかかる曲が流れてくるため
またB面曲でも良曲があったりして
3枚3時間を
一気に聴き抜けてしまいました。
ちなみに
「通りすぎた風」の作詩者
横須賀恵は山口百恵だそうです。
(作曲は谷村新司)
今回、初めて知りました。(^^ゞ
その他
松山千春「青春 II 」のカバー
(1979。船山基紀編曲)や
千賀かほる「真夜中のギター」のカバー
(1981。竜崎孝路編曲)も
なかなかよろしい。
特に「青春 II 」はハマりすぎ。
また
「潮騒のメロディー」のB面曲
「子守唄を聞かせて」が
谷山浩子の提供曲だと知って
これにもびっくり。
(編曲は馬飼野俊一)
ライナーには
全シングルと全アルバムの
ジャケット写真が
カラーで載っているだけでなく
発売年月日のデータも併記されていて
資料的にも充実しています。
なぜかユニオンレコードは
ライナーやレーベル面のどこにも
発売年月を表示していないので
とてもありがたいですね。
ライナーに載っている
堤昌司の解説も
読みごたえがありました。
かてて加えて
シングルのA面B面
すべてを収めているわけですから
タスキ(オビ)にある
「MIZUE コレクション決定盤!」
という惹句に偽りなしです。
これはおススメ。
少なくとも
70年代後半から80年代前半まで
歌謡曲を聴き親しんでいた世代には
超おススメではないかと
思う次第です。(^_^)