日曜日は研究会があって音羽へ。

 

2次会がなかったので
池袋のディスクユニオンに寄っていき
LPレコードを漁っていて見つけたのが

今回紹介するレコードです。

 

『「NHK みんなのうた」より ゴールデン・ベスト20』

(キャニオン・レコード AT-4008、1977.7)

 

西田ひかるの歌った曲が
入っていないかなあと思って
タスキ(オビ)の収録曲を
見てみたところ
「シャーロックホームズとワトスン博士」が
入っていたので
迷わず購入した次第です。

 


ただし、家に帰って
ライナーを見てみたら
谷啓が歌うオリジナルではなく
石岡ひろしという人のバージョンでした。

 

Wikipedia の記事によれば
(てか、こんな記事まであるのか Wikipedia!)
谷啓の音源は
いまだにレコード化されておらず
CDでも聴けないのだとか。

 

その代わりに
レコード化されている音源として
同記事に載っていたのが
本盤の石岡ひろしのものでした。

 

そして石岡の音源もまた
CD化されていないようです。

 

ということで
やっぱり買っておいて正解でした。(^_^)

 


もっとも
谷啓バージョン石岡バージョン
YouTube にアップされておりますので
単に聴くだけなら
そちらで充分なんですけどね。

 

谷啓バージョンと石岡バージョンを聴き比べると
途中に入るホームズの台詞が
石岡バージョンの方が
若干、上品かもしれません。

 

谷啓の演じるホームズは
笑い方が庶民的すぎる気がします。

 

いしいひさいちが
まんがで描いているホームズなら
ぴったりかも(笑)

 


ちなみに
いろいろ検索してみたら
「シャーロックホームズとワトソン博士」の
作曲者・比呂公一は
植木等の息子だという記事を見つけました。


これは知りませんでしたが
Wikipedia には「比呂公一」の項目があり
植木等の息子であることや
谷啓の歌のことも
ちゃんと出ておりました。

 

おそるべし、というか
さすが、というべきか……

 


以下、参考までに
本盤の収録曲を

リスト・アップしておきます。

 

カッコ内は歌唱者ですが

オリジナルと異なる場合は
名前の前に「*」と付けておきました。


SIDE・A
01.山口さんちのツトム君(川橋啓史)
02.天使のパンツ(むとうかんぺい・りつこ)
03.気球にのって(*杉並児童合唱団)
04.はじめての僕です(宮本浩次)
05.算数チャチャチャ(*のこいのこ、コーラルエコー)
06.少年海賊団の唄(クニ河内、東京放送児童合唱団)
07.ひげなしゴゲジャバル(*松熊由紀)
08.くいしんぼうのカレンダー(*竹本エミ、東京放送児童合唱団)
09.動物園へ行こう(*石岡ひろし、東京放送児童合唱団)
10.ユミちゃんの引越し〜さよならツトム君〜(川橋啓史、大塚佳子)

 

SIDE・B
01.アスタ・ルエゴ〜さよなら月の猫〜(研ナオコ)
02.わたしは「とうふ」です(*石岡ひろし、杉並児童合唱団)
03.それ行け3組(*東京放送児童合唱団)
04.ドラキュラのうた(クニ河内、東京放送児童合唱団)
05.美山の子守唄(*広 美和子)
06.巣立つ日まで(*西森潤子)
07.北風小僧の寒太郎(*石岡ひろし、東京放送児童合唱団)
08.白い道(*中川洋子)
09.シャーロックホームズとワトソン博士(*石岡ひろし)
10.勇気一つを友にして(*竹本エミ)


「みんなのうた」のサイトで確認したところ
1971年から1977年にかけて
初回放送されたものから
セレクトされているみたいですね。

 

どのような基準で選ばれたのか
分かりかねますが。

 


20曲中、オリジナル歌唱者は7人のみ。

 

もともと子ども向けの歌というのは
カバーや競作が多いですから
楽曲そのものが残っていくことが
大事だと考えるならば
どういう形ででも
音盤化されているだけでありがたい
という考え方もできるでしょう。

 

でもやっぱり
自分が子どものころに聴いたものは
オリジナルで聴きたいというのが
人情というものですけどね。


特に「巣立つ日まで」は
NHK少年ドラマシリーズの主題歌として
当時、聴き親しんでいただけに
なおさらです。

 

 

ちなみに
『巣立つ日まで』で主演を務め
主題歌も歌っていた田中由美子は
これが女優デビュー作であり
後に『仮面ライダースーパー1』で
草波ハルミを演じることになる
……と、これまた Wikipedia に出ていて
びっくりでした。

 

おそるべし、というか(以下略)

 


びっくりといえば
今回、NHKのサイトで
オリジナル歌唱者を確認して驚いたのは
「動物園へ行こう」を
かまやつひろしが歌っていたこと。

 

これはちょっと聴いてみたいなあ。
 

 

ほかにも

「北風小僧の寒太郎」を
北島三郎が歌っていたのは

記憶にありましたけど

その前に堺正章が歌っていた

というのは記憶になかったですし
「美山の子守唄」を歌っていたのが
茶木みやこであることと合わせて
驚きの連続でした。

 

「白い道」は
ハイ・ファイ・セットのと北原ミレイのの
2バージョンがあるようですが
それよりも
ヴィヴァルディの『四季』
すなわち「和製と創意への試み」作品8
協奏曲 第4番「冬」第2楽章

ラルゴに基づいている

ということを今ごろ知って

へえーと思ったりw

 

「山口さんちのツトム君」に
アンサーソングがあることすら
知らなかった人間ですからねえ

仕方がない。

 


ちなみに Wikipedia の記事によれば
「山口さんちのツトム君」の場合
放送と同じ音源を使っているのは
ポリドールから発売されたものだけ
とのことです。

 

となると、他の楽曲も
オリジナルの歌唱者だからといって
オリジナルの音源とはいえない
ということになりそうですが
さすがにすぐには調べきれません。

 

歌唱者がオリジナルでも
音源がオリジナルとは限らないだなんて
げに恐ろしきは
子ども向け音楽の世界
といいたくなりますなあ。

 

大人向けの歌謡曲でも
再録音などはされたりしますけど
そういうのとも違う気が
しますしねえ。

 


「シャーロックホームズとワトスン博士」に
話を戻すと
オリジナルの歌唱が
これまで収録されてこなかったのは
所属レコード会社の権利関係など
大人の事情があるのでしょうね。

 

それに加えてホームズの場合
外国ネタの作品だけに
音源を出すこと自体
いろいろ難しい事情が
絡んでたんでしょうか。

 

でも
日本におけるホームズ関係の著作権は
とっくのとうに切れたことですし
(1991年にパブリックドメインとなりました)
オリジナル歌唱者による音源が
レコード会社各社の協力で
CD化されている昨今
そろそろ谷啓バージョンの
音源のソフト化を
期待したいところです。

 

 

ちなみに曲名は

「シャーロック・ホームズとワトソン博士」

ではなく

「シャーロックホームズとワトソン博士」

というふうに

ナカグロ(「・」)のないのが

放送時の表記となります。

 

今回入手したレコードは

そこんところはちゃんとしてました。

 

とはいえ

「はじめての僕です」は

「はじめての僕デス」が

放送時の表記のようなので

さほどちゃんとしているわけでも

なかったりするんですけど。( ̄▽ ̄)

 

 

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