今年に入って最初に聴いたCDです。

 

『星の輪 〜宮田まゆみ笙の世界〜』
(CBS/Sony Inc. : 32DG-60、1986.9.21)

 

笙奏者の宮田まゆみの名前は
1998年の長野五輪で
「君が代」を演奏して
知られるようになったようです。

 

自分の場合、それは知らなくて
クラシック関連の雑誌かムックで
紹介されたのを見て以来
その演奏ヴィジュアルが
印象的だったこともあり
ずっと気になっていたのでした。

 

Amazon に中古で出ていたので
買おうと思えば簡単に買えたのですけど
タスキ(オビ)付きが欲しいと思い
なんとなく注文しはぐっていたところ
アコーディオン奏者の
シュテファン・フッソングが
師事していたことを知り
俄然、購入意欲が湧いてきて
昨年末に購入を決めた次第です。

 


笙の独奏曲というのは
伝統的な雅楽には基本的に存在せず
唐楽の中に存在していただけのようです。

 

本盤の冒頭に収録されている
「太食調調子(たいしきちょうのちょうし)」が
独奏で演奏されている他は
基本的に他の雅楽器との
アンサンブルでの収録。

 

「調子」というのは
洋楽でいう「調」のこと。

 

太食調調子を独唱したあと
双調調子(そうちょうのちょうし)で
アンサンブルの音合わせをして
「春庭花(しゅんていか)」の演奏に移り
一柳慧(いちやなぎ・とし。b.1933)作曲の
笙独奏曲をはさみ
天平時代の唐楽
「曹娘褌脱(そうろうこだつ)」が
演奏されます。

 

最後は
コート・リッペ(リッピとも。b.1953)という
アメリカのエレクトロニック音楽作曲家による
「笙とハープのための音楽」を
演奏するという構成。

 


太食調調子→双調調子→春庭花
という流れは
典型的な雅楽という感じ。

 

ライナーによると
雅楽は、六つの調子を除き
ヘテロフォニーなのだとか。

 

ヘテロフォニーというのは
各楽器が固有の旋律を演奏し
時たま和音が成立することがある
というタイプの楽曲だそうです。

 

ポリフォニックな洋楽に慣れていると
かなり違和感を覚えますけど
結婚式などの斎場で耳にしているせいか
まあ、こんなものだろう
という感じで

済んでしまいもしたり(笑)

 


中国笙を吹いている「曹娘褌脱」は
由来を説明されれば
なるほど中国曲らしいという印象。

 

古典雅楽とは違い
メロディアスな感じがして
親しみやすいですね。

 


一柳慧の
「独奏笙のための『星の輪』」は
雅楽の調子に沿った曲づくりなので
違和感はありませんが
リッペの曲になると
典型的な現代音楽というか
旋律はないし
ただ音が散乱しているだけ
としか、いいようがありません。

 

笙の音が
電子音楽のように聴こえるから
不思議。

 

変な合の手というか
掛け声が入りますけど
これはハーピストの声なんでしょうか。

 

まあ、リッペみたいな曲は
苦手ですね。f^_^;

 


古典雅楽は

お正月に聴くのにちょうどいいかも
と思って

最初にかけたのですけど

こちらが慣れていないせいか
どれも似たように聴こえてしまうのが
難といえば難かも。


もっとも自分に

素養がないからなんですけどね。
 

もう少し勉強しないとなあ。( ̄ー ̄;)

 


宮田まゆみのソロCDは
おそらく本盤だけですが
雅楽団体・伶楽舎の

結成当初からのメンバーなので
伶楽舎のCDを聴けば

その演奏に接することができます。

 

もっとも独奏はないわけですが。

 

独奏がなくても

伶楽舎のCDを聴いて
勉強すべきなのかどうか
ただ今、思案中

といったところです。(^^ゞ

 

 

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