遅ればせながら
あけましておめでとうございます。

 

 

今年、最初に読んだ本は
干支にちなんで
あまりに有名なこちら。

 

ハヤカワ・ミステリ版『鳥』カバー

(鳴海四郎訳、ハヤカワ・ミステリ、1972.12.31. 4刷)

 

初版は1963年6月15日に出ています。

 

カバーを外した表紙はこちら。

 

ハヤカワ・ミステリ版『鳥』本体表紙
 

カバーの裏側の袖が
のりか何かで本体に貼付けられていて
上のようにしか撮れませんでした。

 


初版が出た時から
映画スチールのカバーが付いていたのか
それとも、その後に付けられたのかは
分かりません。

 

アメリカでの映画の公開年は
1963年の3月で
日本では同年の7月だそうです。

 

ですから
それに合わせて刊行されたのは
明らかなんですけど。

 


映画の方は昔、子どもの頃
テレビの洋画劇場で放映されたのを
観たことがあります。

 

鳥の大群が小学校の校庭に集まり
子どもたちを襲うシーンや
ガソリンスタンドの俯瞰シーン
最後の脱出シーンなどを
覚えています。

 

その後、ずいぶん経ってから
古本で訳書を入手したわけですが
実は、読むのは今回が初めて。(^^ゞ

 


原作は50ページほどの短編で
鳥が地方都市の住民を襲うという
メイン・アイデアは同じですが
登場人物の配置や結末は
かなり違ってました。

 

入手してすぐに読んだとしても
映画と違う! と思って
それでおしまいにしてた気がします。

 


主人公の農場労働者が

家族と立てこもった家の中で
ラジオを聴きながら
国の対策の遅れを
心の中で難詰するあたり
戦時下のロンドン市民の想いや
中央に対する地方住民の想い

といったものが連想されて
なかなか興味深い。

 

その農場労働者が
本を読むインテリだと思われて
ちょっと煙たがられていることも
さり気なく書き込まれており
そこらへんも興味深かったです。

 

そういうインテリだからこそ

早目に徴候に気づいて

対応策が取れたのだし

政府に文句もいう

ということなんでしょうね。

 


昔、映画を観たときは
結末のシーンで

なぜ鳥がああだったのか
分からなかったのですけど
原作を読むと
それなりの説明があって
ちょっと腑に落ちた感じ。

 

とはいえ
原作の結末は
映画とは大きく違っていて
驚きでした。

 

どう違っているかは
いちおう伏せておくことにします。

 


ハヤカワ・ミステリ版には他に
「瞬間の破片」The Split Second と
「動機なし」No Motive という作品が
併録されています。

 

巻末の解説によると
原書には8編収録されている

と書いてありますけど

(「ブランツ社」となっているのは

「ゴランツ社」の誤植ですね w)
今では8編すべてが収録された版が
創元推理文庫から出ています。

 

 

確か買ったはずなんですけど
どこかにまぎれて見つからないので

Amazon の書影を貼り付けておきます。

 

今年もこんな調子で
本がなかなか見つからずに
苦労しそうです。┐(´∀`)┌ヤレヤレ

 


なにはともあれ
本年もよろしくお願いします。

 

 

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