『真夜中の子守歌』
(ワーナー・パイオニア L-89R、1977.6)

『浮世絵 女ねずみ小僧』(1971〜74)の
実質的な続編にあたる
『ご存知 女ねずみ小僧』(1977)の
主題歌レコードです。

『浮世絵 女ねずみ小僧』の方は
第2シーズンから
平田隆夫とセルスターズが歌う
「急げ風のように」
主題歌として流れました。

Wikipedia によれば
『ご存知 女ねずみ小僧』の主題歌
「真夜中の子守歌」は
「急げ風のように」の
メロディーはそのままに
歌詞とアレンジを変えただけの楽曲
とのこと。

そちらも聴きたいなあと
思っていたところ
先日、所用があって行った神田神保町の
昭和歌謡などのCDが充実している
「タクト」に寄って
アナログ・レコードを漁っていた時
見つけた次第です。


針を落して聴いてみると
確かに歌詞が違う。
(作詞は山川敬介)
それに記憶していたのとは
やっぱり微妙に違う感じです。

『ご存知 女ねずみ小僧』も
おそらくは観ていたろうと
思うのですけど
ヒデとロザンナ版の楽曲は
こちとらの記憶の琴線に
響いてこないのですね。


平田隆夫とセルスターズ版の歌い出し

♪夜は我らのもの
 夜はみんなのもの
  みせかけだけの言葉は
  こゝでは通らない
(中村しのぶ作詞)

という歌詞から感じられる
何ともいえぬプロテストな感じ
とでもいいましょうか
戦後民主主義な臭み
においのようなものが
ヒデとロザンナ版からは
感じられないのですね。

「我ら」「みんな」という言葉に
時代精神の痕跡が刻み込まれている
といったら
大げさすぎるでしょうか。


にも書きましたが
当時、ワーナーのシングルのジャケには
A面曲の楽譜が掲載されていました。

それを見てて面白かったのは
ヒデとロザンナのバージョンでも
チュチュチュのメロディーが
入っているんですけど
メロディーが譜面に
正確に起こされていること。

演奏スタイルから考えるに
セルスターズ版の場合
ほとんど即興に近かったと
思われるわけですが
ヒデとロザンナのスタイルでは
正確に再現しなければならないもの
という扱いになったわけでしょうか。

たとえは変かも知れませんが
バロック時代の楽譜で
装飾音部分は譜面に記されないことを
ちょっと連想させられました。


譜面が載っているおかげで
♪パパ〜ヤ〜
と聴こえていた部分は
「PA FA YA」であることが
分かりましたけど
まさか誤植じゃないですよね。

譜面では
「Chu Chu」なのに
歌詞だと
「Tu Tu 」になっているのも
いと、をかし。( ̄▽ ̄)


B面の「屋根の上のふたり」も
ドラマの挿入歌として
使われたようです。

主題歌より
こっちの方が
記憶の琴線に触れる感じがして
何とも不思議な感じでした。


ペタしてね