映画第2作・公式ノベライズ
(2016/入間真訳、宝島社文庫、2016.7.29)

以前の記事
『アリス・イン・ワンダーランド 〜時間の旅〜』の
ノベライズが2冊出ていると書きましたが
それらはいずれもジュニア向けでして
今回、取り上げる宝島社文庫版が
いちおう、一般向け「公式ノベライズ」
ということになります。

「公式ノベライズ」というのは
カバー裏の内容紹介に
書かれている表現なんですけれども。


映画第1作の「公式ノヴェライズ」は
竹書房文庫として刊行されました。

映画第1作・公式ノベライズ
(竹書房文庫、2010.4.16)

そちらの著者表示は
「ワンダ・ウールヴァートン 脚本
 入間真 ノヴェライズ」
となっていて
英語版のノベライズ本が
基になっていないようですけど
今回の本には、どうやら
基になる原書があるようです。

Amazon で検索すると
下の原書がアップされますから。

Alice Through the Looking Glass/Disney Press

¥1,873
Amazon.co.jp

ただ、宝島社文庫のどこにも
原作の書誌情報や
コピーライトなどを記した
前付けが付いていないので
(マルC・Disney とあるだけなので)
正確なところは
原本に当たってみないと
分かりませんが。

カリ・サザーランドは
ジュニア小説家
T・T・サザーランドが
姉妹らしく
その縁で
小説の方も出してもらえたのでしょうか。


目を通してみたところ
記憶している映画の内容と
ほぼ同じようでした。

映画のオープニングは
アリスの船が
海賊に襲撃されているシーンで
始まったんですけど
ノベライズの方だと
アリスが母親に話す体験談として
語られているだけです。

その代わりに
ノベライズ版のプロローグは
アンダーランドの住人が
食事中に球威する場面から始まります。

これは映画にもあったシーン。

そのシーンを
プロローグに持ってきて
エピローグのシーンと
対応させているあたりの
書きっぷりは
いかにも小説らしい作りでした。

その他、各キャラクターの台詞も
ぼんやりと記憶している
映画の台詞(の印象)そのままで
映画に近いノベライズ版として
お勧めできると思います。


これに比べると
下の2冊のジュニア版の内

『アリス・イン・ワンダーランド』続編本2種

たとえば、写真左
角川つばさ文庫版のノベライズは
おおまかなプロットは一緒ですが
細部が微妙に異なります。

プロローグこそ
映画と同じ
海賊の襲撃を脱する場面なので
中味も同じかと思っていたら
ストーリーテリングの順序など
異なっているところがあるだけでなく
映画にはないシーンもありました。

どこがどう違うか
いちいちあげませんけど
(比較できるほど映画の細部まで覚えてないしw)
映画を観た方は
手に取って比較してみるのも
一興だろうと思います。

角川版に比べると
偕成社版のノベライズは
原作ノベライズに近いようですが
(ということは映画にも近い)
枚数の関係なのか
ところどころ
端折られているようです。


というわけで
やっぱり宝島社文庫晩は
「公式ノベライズ」と
謳うだけのことはある
という感じですね。

公式版の版元が
竹書房から宝島社に移ったのは
いろいろと大人の事情が
あるのかもしれませんけど
詳細は不明です。

原書の版権を取得できたから
ということなんですかねえ( ´(ェ)`)


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