『三省堂 新旧かなづかい便覧』
(三省堂、2008.7.10)

写真は新装版です。

先日古本屋で見つけて
安かつたので
思はず購入しちやひました。


編集は「三省堂編修所」
となつてゐますが
「編集」ではなく
「編修」なんですね。
初めて気づきました。

資料を集めて精選し
まとめることを指すみたいで
辞書や国史の編纂などの時に
使うやうです。


それはともかく
買つた後で気づいたんですが
同じ三省堂から出てゐる
新明解国語辞典であれば
旧かなづかひも
見出し語と一緒に
示されてゐたのでした。

少なくとも今、手許にある
1981年発行の第三版には
示されてゐますね。

新明解を持つてゐれば
それで充分なわけで。


それに単語レベル
ないし単語の読みのレベルまで
旧かなづかひを意識することは
ふだんはないわけです。

本書のオビにあるやうに
俳句・短歌を作る人には
文字数の関係で
重要なのかもしれませんけど
かなづかひが違うと文字数が異なる
といふ場合は
さうさうない気もするし。


ひとつ面白かつたのは
字音(漢字音)を
かなづかひの内に
加へてゐること。

字音といふのは
現在では同じ発音でも
伝来した時の発音に基づいて
書き分けることで
たとへば「薬缶」なら
「やくわん」と表記します。

だから「切歯扼腕」に
旧かなづかひで
「せつしやくわん」と振つてあると
薬缶が湯気を立ててゐる絵が浮ぶ
と書いてゐたのは
北村薫だつたか知らん。


といふわけで
上で書いてきたくらゐの
旧かなづかひなら
新明解で充分、用が足ります。

助詞・助動詞などは
むしろ新明解でないと
分からない。

今回紹介した本
役に立つ時がくるのでせうか。(´・ω・`)


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