石川セリ『翼』
(日本コロムビア COCY-78624、1995.11.21)

先日の東奔西走の時
渋谷のレコファンで見つけました。

副題は
「武満徹ポップ・ソングス」で
一般的には
クラシックの作曲家として知られている
武満徹のヴォーカル曲を
石川セリが歌っているCDです。

石川セリが歌うことは
武光自身の希望だったようですね。


以前、新宿のディスクユニオンで
同じく石川セリによる
武満徹のソング集
『MI・YO・TA』

石川セリ『MI・YO・TA』
(日本コロムビア COCY-80459、1997.2.20)

を買っていたのですが
そちらのオビ(タスキ)裏を見て
『翼』というCDが
出ていることを知ってから
ちょっと気にしてたのでした。

Amazon で検索してみると
まだ新譜が買えるようなんですけど
何となく買うタイミングを
逃しているうちに
見つけちゃったので。

中古で買う癖が
ついちゃってるのかもしれません。(^^ゞ


武満徹の曲は
高校時代に文芸部の合宿で
「死んだ男の残したものは」
という曲を教えてもらい
歌ったことがあるくらいでした。

同曲は谷川俊太郎の作詞ですが
ベトナム戦争時に作られた
いわゆる反戦歌にあたりまして
その暗いメロディーは
そらで歌えるくらい
ずーっと記憶に残っていました。


今年の1月に
混声合唱団ラディアータの公演
初めて「死んだ男……」以外の
武光の歌曲を聴きましたが
申し訳ないですけど
今ひとつピンとこなかった。

それでも
「○と△の歌」なんかは
印象に残ってますけどね。


ただ
ラディアータの公演で聴いてから
いろいろ検索しているうちに
石川セリが
武光の曲を歌っていることを知り
ちょっと聴いてみたいなと
思っていたのでした。

というのも
それより前に
宍戸留美が歌う「セクシィ」を聴いて
石川セリの「セクシィ」を聴きたくなり
〈ゴールデン☆ベスト〉シリーズの1枚
『シングルズ・アンド・モア』

石川セリ『シングルズ・アンド・モア』
(ユニバーサルミュージック UICZ-6031、2003.11.26)

を買っていて
石川セリが
気になっていたからでして。

この連想ゲームのようなつながり方が
いいでしょう?(笑)


『MI・YO・TA』を買った時は
まだ『翼』が見つからない時で
それでも
「死んだ男の残したものは」が
入っていたこともあり
買ってみたのでした。

全10曲中5曲が
収録曲のインストなのですけど
それもあってか
これは、うーん、という感じでして
1度聴いただけで
ほっぽいといちゃったのでした。


ところが
『翼』を手に入れて聴いてみると
あら不思議
『MI・YO・TA』で聴いているはずの
「死んだ男の残したものは」が
実に新鮮で
しかも名アレンジのように
聴こえました。

不思議ですね、同じテイクのはずなのに。

おそらく『翼』を聴く前に
小室等の『武満 徹ソングブックス』を
聴いたからではないかと思います。

小室等『武満徹ソングブック』
(FOR LIFE RECORDS FLCF-3684、1997.5.21)

このCD、たまたま
横浜のディスクユニオンで見つけて
ああ、こんなCDも出ているんだ
と思って購入し
聴いたばかりだったのでした。

ここらへんも連想ゲーム的というか
伝言ゲームのようだというか
もはや運命的ですね。


で、『翼』ですが
ラディアータの公演で聴いた曲も含め
どれもこれも名演揃いでした。

これ、すごすぎ。

こちらの趣味にもよりますが
ラディアータの講演の後で買った
(買っちゃってたんですw)
合唱バージョンより
断然いいと思います。

何よりアレンジが素晴しい。


中ではトラック11の
「ワルツ—『他人の顔』より」が
伴奏も含めてすごい。

というより
アコーディオンの伴奏がいい!

これは勅使河原宏監督の映画
『他人の顔』(1965)の
挿入曲だそうです。

映画の方は未見なので
オリジナルとの比較はできませんけど
少なくとも本盤での
アコーディオンの音色と
石川セリのヴォーカルのコラボは
素晴しい。カッコいい!


先日、誘われて行った
カラオケボックスに
「死んだ男の残したものは」が
あったんで
思わず歌っちゃいました。

もう、高校時代以来ですね。

今ひとつ
うまく歌い切れなかったんですが
それもあって
これは極めたい1曲だと
思ったことでした。

石川セリ・バージョンなら
極める意味はある、とも思ったり。


いろいろ書いてきましたが
何はともあれ『翼』。

ともかく『翼』は
チョーおススメの1枚です。


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