『ゴブリンズ・ライ』
(双葉社 JOUR COMICS、2016.1.16)

土曜日、所用があって
池袋に行った際に寄った
ジュンク堂で見つけました。

「変人探偵エム」シリーズの
最新刊です。

自分が買い逃しているのでなければ
前回、このシリーズが出たのは
2013年3月でして
その『サタニック・ブランチ』以来の
第2弾ということになります。

すごい刊行ペース。( ̄▽ ̄)

たまたま
まんがの新刊コーナーをチェックしなければ
買い逃していた可能性大でした。

近所の新刊書店に並んだかも知れないけど。


どういう設定だったか
もはや細かいところは忘れてますが
万能相談所を営む変人の友人エムに
古家具屋のルディが振り回される話
ですかね。

吸血鬼に襲われそうだから
棺桶のベッドで眠りたい(第1話)
アーサー王が円卓の騎士と囲んだものよりも
古いテーブルが欲しい(第2話)
夢で見続けている世界に移住するので
あとの処理をお願いしたい(第4話)
幽霊が出るという噂のある館の
幽霊を退治してほしい(第6話)
といった依頼を受ける話の他
チェストを守る衣裳やら(第5話)
ゴブリンやら(第7話)
訳の分からないものやら(第3話)が
出てくる話
などが収められています。

上のような事件の奇妙さ以外では、
ルディはエムの奇行に振り回され
時には腹立たしく思い
怒鳴ったりしますけど
実はエムのことを気にかけている
お人好し
もとい
いい奴という設定なので
そこらへんの関係性も
ちょっとした読みどころのひとつ。

エムもまた、それとなしに
ルディを気にかけているところがあり
そこらへんも読みどころ。

あと
前回も書きましたが
ルディの奥さんミッシィが
簡単な線で描かれているのに
実に可愛らしくて
萌えちゃいます。(^_^)


タイトルの
「ゴブリンズ・ライ」というのは
「ゴブリンの小川」という意味で
スコットランド語の古語 rye が
「小川」という意味であることに
由来するそうです。

日本では「麦畑」として知られる
♪誰かさんと誰かさんが麦畑
という歌い出しの楽曲の原曲
Comin' Thro' the Rye
(Coming Through the Rye)の rye は
麦畑ではなくて小川のことを指すそうです。

スカートをたくし上げて
小川を渡って行くと
男の子たちがキスをしにくる
という状況を歌ったものだそうで
そういうことを何かの本で読んで
なるほどと思って描いたのが
表題作なのだとか。

表題作(第7話)のタイトルページには
その小川でキスされる様子が描かれていて
これがまた可愛らしいんです。

といってもお話自体には
そんなシーンは
ひとつも出てきませんけど。( ̄▽ ̄)


結論としては
前に書いたこと
繰り返しになりますが
絵柄がついていけないという人には
無理にはススメませんけど
早川書房が出している
『異色作家短篇集』テイストの話が
好きな人なら
おススメの一冊
ということになりましょうか。


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