『イ・ムジチの《四季》』BOX
(ユニヴァーサル ミュージック
 UCCD-4826/31、2013.10.9)

『イ・ムジチの《四季》』という
6枚組みのBOXを買いました
という記事の続きです。


『イ・ムジチの《四季》』CD3&4
(写真左:CD3、写真右:CD4)

3枚目(1969年録音)は
発売時期から考えて
自分が初めて耳にした演奏が
これじゃないかと思っています。

中学生の時に
演劇部の顧問である国語のM先生に
今度、ミステリ劇をやりたいから
何かよい原作はないか
ミステリの戯曲はないかと聞かれたことがあり
たまたまアガサ・クリスティーの「ねずみとり」が
『ミステリマガジン』に訳されたのを
持っていたので
お貸ししたことがあります。

『ミステリマガジン』1975年12月号
(1975年12月号、20巻12号、通巻236号)

M先生はそれを基にリライトして
ミステリ劇を仕上げたのですが
もちろん、その公演は観にいきました。

中学の部活動の一環とはいえ
自分が観た初めての舞台じゃないかな。

そのときBGMに使われていたのが
ヴィヴァルディの『四季』でした。

もっとも
『四季』だと知るのは
後年になってからですが
これが自分の『四季』聴き始めだと思います。

自分が中学生の時ですから
M先生がよほどのマニアでない限り
イ・ムジチの3枚目の録音を使うのが
自然ではないかと思います。

テンポ的にも音質的にも
身体が覚えている感じは
何となくこれっぽいし。

ヴァイオリン・ソロは
ロベルト・ミケルッチという人で
正直、どれくらいのクラスの演奏家なのか
まったく分かりませんし
世間的には2枚目
フェリックス・アーヨのヴァイオリン演奏が
よく知られているようです。

でも、上記のような理由もあって
個人的には
これが定番だろうと思ってます。

「秋」の第2楽章は、ちょっといい感じ。


この中学の時に聴いて以降
喫茶店のBGMとか
テレビの効果音とかで
耳にしたことはあるかもしれませんが
ちゃんとヴィヴァルディだと意識して聴いたのは
シギスヴァルト・クイケン指揮
ラ・プティット・バンドの演奏だったりします。

下が、その演奏が収められていた
オーセンティック・ベスト50シリーズの1枚。

ラ・プティット・バンドの『四季』
(BMGビクター BVCC-1848、1992.5.21)

前にも書いたかと思いますが
このシリーズのオビ(タスキ)は
CD全面を覆うものでした。

それはともかく
この盤で『四季』を聴いた時は
これ知ってる! という感じで
どこか懐かしく思ったものでした。

うーん、素朴だった。( ̄▽ ̄)


ちなみに
ラ・プティット・バンド盤の録音は1979年で
イ・ムジチの3番目と4番目の録音の間、
3番目の録音から
ちょうど10年後になります。

位置的にもここでふれるのが
ベスト・ポジション。

意識せずに書いてきて
この偶然は、すごい!


閑話休題。

その後、バロック音楽にハマって
イ・ムジチの演奏盤も
ヴィヴァルディの『調和の幻想』とか
マルチェッロの『オーボエ協奏曲集』とか
何枚か買ってますが
『四季』は買わずじまいでした。

前にもふれた皆川達夫の
『ルネサンス・バロック名曲名盤100』

皆川達夫オン・ブックス(新)
(音楽之友社 ON BOOKS、1992.2.10)

では
『四季』が
あまり評価されてないこともあり
ラ・プティット・バンド盤があれば
いいかと思ったわけです。

その後、何枚か
ラ・プティット・バンドとは別の
古楽器による演奏盤を買ったりしますが
それはまた別の話。

『イ・ムジチの《四季》』CD3&4
(写真左:CD3、写真右:CD4)

イ・ムジチ4枚目の『四季』は
1982年の録音で
初のデジタル・レコーディング盤だそうですが
たぶん初めてCD化された盤でも
あるのではないか
と思います。

これはなかなか聴いてて心地よいですね。

テレビやラジオで耳にするのは
これじゃないかと思えるくらい
耳に馴染んでる感じというか。

上にも書いた皆川達夫の
『ルネサンス・バロック名曲名盤100』では
この4枚目の
ピーナ・カルミレッリの演奏盤が
推薦のトップでした。

まあ、基本的に
CDを優先して紹介する
という方針のガイド本でしたから
そうなったのではないかと思います。

そこで皆川は
「彼ら(イ・ムジチ)の初陣である
 古いアーヨ独奏盤にも
 捨てがたい味があります」
と書いてますが
初陣という以上
1枚目の1955年盤なんでしょうか。

今回のBOXを買ったことで
1955年盤にせよ1959年盤にせよ
どちらも聴くことができるので
この疑問にはそのうちに
答えが得られるのではないか
とは思いますが。


というわけで
長くなりましたので
残りの2枚については
また次回に。


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