
(キングレコード製造、ウルトラ・ヴァイヴ販売
CDSOL-1369、201.8.4)
1978年12月11日~29日にオンエアされた
NHK連続ラジオ小説
江戸川乱歩原作『黄金仮面』の
主題歌「黄金仮面」と
挿入歌「悪魔のように」を含むアルバムです。
ギャルというのは
『スター誕生!』に合格して
ソロデビューした3人が
ユニットを組んだグループ・アイドルで
ポスト・キャンディーズを狙った一組です。
とか、さも詳しいかのように書いてますが
それは本CDのライナーを読んで知ったこと。(^^ゞ
ラジオ・ドラマを聴いていたころは
そんなことは少しも知らずにいたのでした。
ちなみにユニットとしては
シングルを4枚出していますが
『黄金仮面』(1978.10)が
そのうちの最後の1枚でした。

以前
『黄金仮面』歌について書いた
記事のコメントで
こういうCDが出ていることを
すみださんに教えてもらって
さっそく購入して聴いてみたのですが
その時はあまり面白いとは
思わなかったんですね。
曲調もアレンジも古臭いし。
(『黄金仮面』の歌は
めっちゃ懐かしかったけど
やっぱり覚えていたのと違って
テンポが遅い感じがしました)
それが、このあいだ
『推理SFドラマの六〇年』の
記事を書きながら
久しぶりに取り出して聴いてみたら
途中、おやっと思わせるところがあって
ちょっとだけ見直したので
今回遅ればせながら取り上げる次第です。
本CDにはシングル4枚のAB両面と
1枚だけ出ているアルバムの全曲が
収録されています。
そのアルバム
『ギャルのスペース・オペラ』は
曲間に台詞を入れて
一種のドラマ仕立てになっている1枚で
マグネット・ジョーを追いかけて
宇宙船で航海しているという設定。
アルバムが発売された1978年といえば
前年に公開された
映画『スター・ウォーズ』の影響で
スペース・オペラ・ブームが巻き起こっており
明らかにそれを当て込んだ
安易かつチープな企画なわけです。
どれくらい安易かというと
B面ではホームシックになった3人が
地球で聞いていたアニメの歌を
メドレーで歌い出したりするし
マグネット・ジョーらしき人物が
バロン軍団と交戦中
という場面では、なぜか
レッド・バロンを始めとする
バロン・シリーズのメドレーが始まるし
といった具合なんですわ。
LP盤を構成するほど持ち歌がないし
(シングル2枚しか出てない時でした)
かといって
フル・アルバム分の新曲を作るほど
お金をかけられない
という事情が透けて見えるあたりが
安易でチープなわけでしてね。
自分は、アニメや特撮の歌は
オリジナルで聴きたい人なので
上のような構成だけで
引いちゃったわけです。
それに堂々と
「スター・ウォーズのテーマ」を
スキャットで入れているあたり
臆面がないというかなんというか……
ところが、このあいだ聴いていたところ
デビュー・シングル『薔薇とピストル』(1977)
およびセカンド・シングルの
『マグネット・ジョーに気をつけろ』(1978)が
これはアルバムの冒頭にも入ってるんですが
明らかにシングルの時よりは
コーラスのバランスが良く
歌が上手くなっているのに気づいて
ちょっとびっくり。
テンポやアレンジもシングルよりいい。
どうしちまったんだい
という感じで面白かったのです。
最初のシングル2枚とアルバムの
ギャル・オリジナル曲の
作詞を担当しているのは阿久悠で
アルバムのB面で
「宇宙戦艦ヤマト」の主題歌や
「レッド・バロン」
「マッハ・バロン」を歌っているのは
そのためであるか、と。
アニメ・メドレーのうち
『ひみつのアッコちゃん』は
コーラスがちょっときれいで
見直したところもあり。
とはいえ、アニメや特撮の
コンピレーションものが好きな人に
おすすめ、かも? ( ̄▽ ̄)
あるいは
アニメや特撮の主題歌を
歌う方向に進めば
あるいはアイドル史に
名前を残す存在に
なっていたかもしれません。
とはいえ、先日読み終った
ピロシキ編『アイドル楽曲ディスクガイド』

(アスペクト、2014.3.11)
には、デビュー・シングルが
取り上げられていたので(p.104)
それなりに名を残している
……かな?
