『Papa told me』Cocohana ver.3
(集英社マーガレット コミックス、2014.9.30)

昨日、本屋に行ったら見つけました。
出たばっかり(25日発売)の
まさに「待望の最新刊!」。

今のコミックス・サイズになってから7冊目
Cocohana ver. という
巻数名が付いてから3冊目。

Cocohana ver.2 が出たのは
昨年の7月ですから
1年2ヶ月ぶりの新刊です。

副題は「薔薇色の休日」。

ですから正確なタイトルは
『Papa told me Cocohana ver.3
 ~薔薇色の休日~』
ということになります。


いつもと変わらず、
善意と思ってする発言が
悪意になってしまう話
他者に対する想像力のない人
(だから自分が「正義」だと信じている人)の話
そうした人々からの
善意を装った
理不尽な悪意に曝される話など
人よりも少しだけ声が小さいために
損をしている人への
エールをこめたエピソードが
収録されています。

いつもと変わらないんですが
久しぶりだったせいか
こちらの心が疲れていたせいか
2度読み、3度読みしてしまいました。f^_^


「コンマ コロン セミコロン」は
久しぶりに知世ちゃんが
そうした悪意にさらされ
それでも負けないと
気を奮い起こすために
「点の日」を過ごす話でした。

パパである的場信吉が
知世ちゃんに事情を一切聞かないのが
いつものことながら、いいですね。


「キッチン ガーデン」では
元勤めていた会社の上司の
退職記念パーティーに呼ばれ
そこで上司の夫人だけが
家事のためにかけずり回っているのを見て
「誰もそんなことは気にもとめず
楽しく飲み食いしてること」が
「不思議」だと言う信吉(p.112)に
妹のゆりこが
「彼らからしてみたら
気にしてるお兄ちゃんの方が
不思議な存在なんだろうね」(同)
と受ける
のは、まあ、当たり前として
それだけでなく
「お兄ちゃんだって人生の選択次第では
今頃『彼ら』だったかもしれないし」(同)
と相対化する視点を
同時に示しているところが
ちょっと良かったです。


同調圧力を違う側面から描いた2本
「サマー トレイン」と
「サンシャイン ステート」、
1人になれる空間(場所)を求める
女子高校生の話
「トワイライト ガーデン」など
他にも、印象的な話がいっぱい。


巻末には
クイーンズ コミックス版&
マーガレット コミックス版
6冊について
作者によるコメントで振り返る
「スペシャルコメンタリー 完全版!」
が収録されています。

各巻のお気に入りの一編と
その作品についてのエピソード、
作中に登場した食べ物の紹介で
構成されており
初出は雑誌『Cocohana』2013年2月号。

東日本大震災後の風評被害を
身近に感じて描いたという
「クローバー ガーランド」
Cocohana ver.1 に収録)
についてのコメントは
この作者の面目躍如といった
感じがします。


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