『おジャ魔女どれみ18』
(講談社ラノベ文庫、2014年9月2日発行)

発売日の翌日
塾に行く途中で買ったのですが
もろもろあって読んでいる時間がなく
12日にようやく読み終わりました。

で、感想を今ごろ書くという(苦笑)

何ごともタイミングの問題です。


どれみも18歳となりましたが
本巻では、どれみ自身よりも
はづき、あいこ、ももこの各人が
それぞれの人生への旅立ちの
契機となるエピソードが中心となる
という印象です。

おんぷちゃんは登場当初から
チャイドルで芸能人でしたから
どれみの日常とは深い関わりはない
といえなくもないのですが
はづきちゃんは幼なじみだし
あいちゃんは小学校の時に
転校してきて以来の親友だし
ずっと一緒にいるという感覚が
強かった気がします。

実際の人生の場合
人によっては
小学校以来の関係が持続する
ということもあるでしょうけど
成長するにつれて進む道が異なり
それまでとは違うステージに入っていく
という人も
多いのではないかと思います。

そういう、次のステージへの移行が
上手く受け容れられない
ということを描いたのが
『おジャ魔女どれみドッカ~ン!』の
最終回だったと思いますけど
今回の『18』も
あの最終回近くの雰囲気が感じられます。

高校生になったどれみは
さすがにあの時の振る舞いを
繰り返さないとは思いますが
それは小竹がいるから
という流れになるのかなあとも思ったり。


117~118ページに、
はづきがおんぷに向かって
「もうお互い夢じゃないのよね。
 おんぷちゃんの大変さが、
 私にもやっと
 分かるようになったわ」
と言うのを聞いて、どれみが
「それは夢が叶ったってこと?」
と聞くと、あいこが
「ちゃうで、どれみちゃん。
 もう夢を見ていた時間が
 終わったゆうことや。そやろ?」
と説明する
という場面があります。

このやりとりは
と胸を衝かれたというか
大人になるということの意味が
絶妙に言い表されていて
個人的には
たいへん印象的な会話でした。

でも、どれみは
あいこの言葉に対して
「えっ? どゆことっ?」
と返している。

どれみというキャラクターは
主人公ですけど
それゆえにというべきか
「どゆことっ?」って
言わせざるを得ない位置にあって
ちょっと不憫なような気が
したりしたことでした。


あと、オープンカレッジ
というものが描かれるのは
時代だなあという感じです。

いわゆる学校見学みたいなものですが
自分のときはなかったよなあ。

そのオープンカレッジと
あいこが活躍する駅伝大会がらみで
三軒茶屋(p.139)とか鶴川(同)とか
長津田(p.147)とか
実在の地名が出てきたり
湘南新宿ラインで
美空駅から小手先駅まで
どこでどう乗り換えて(p.153)
これくらい時間がかかる(p.155)
という記述が出てきたりして
架空の地方都市である美空市の位置が
どこらへんに設定されているのかを
特定できそうな手がかりが多かったのも
興味深いところでした。

ちなみにどれみの第一志望は
三軒茶屋にある世田谷女子大学の
教育学部という設定になってます。

これを現実の大学に当てはめると
世田谷女子大学というのは
昭和女子大学ということに
なりそうですが……


上の写真でも分かる通り
表紙は中学生になったぽっぷで
巻末インタビューも
ぽっぷを演じた石毛佐和さんです。

とはいえ、本書に限っては
ぽっぷは表立っては出てきません。

ぽっぷが表紙を飾るあたりまでは
予想の範囲内でしたが
次の巻は誰が表紙になるのか。

マジョリカとララあたりか、小竹か。

そこらへんも楽しみなところです。


なお、今回は
ドラマCD付き限定版はありません。

その点については
ちょっと物足りない感じ。

次回に期待いたしましょう。


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