『おジャ魔女どれみ17 3rd ~COME ON!~』
(講談社ラノベ文庫、2014.2.28)

出ました! 講談社ラノベ文庫の
おジャ魔女どれみシリーズ最新作。

今回の表紙は
高校生くらいの年齢になった
ハナちゃんこと巻機山ハナ。


これでメイン・レギュラー6人が
それぞれ表紙を飾ったことになります。

そうなってくると気になるのは
次回の表紙を飾るのは誰か
ということですよね、やっぱ。


『おジャ魔女どれみ18』とかいって
また3冊出るのだとしたら
(出そうですw
 今回も次回に続く感じで終わるし
 語り残したエピソードがあるし)
単体でカバーを張るキャラが
3人もいるのか。

最終巻(?)は
全員の集合写真、じゃない、
集合イラストでも
いいわけだけれども。

次の本は、ぽっぷあたりかな、と
予想してますけどね。

そんなことが気にしながら
読み終えました(苦笑)


これから読む人もいるでしょうから
物語の中味については
詳しくは書きません。

最後に懐かしいキャラが……っと
これもナイショということで(笑)


今回ひとつ面白かったのは
第三章のナラティヴでしょうか。

基本的に、アニメのノヴェライズで
そんなに凝った小説ではないし
原作のアニメも児童向けだしで
そんなに凝った書き方はしないというか
リニアな時間軸に沿って
出来事が語られるもんだと
思ってたんですけど
それだけに
第三章の132ページのカットバックは
ちょっと、おやっと思わされました。


この小説版のシリーズは
基本的に、春風どれみの一人称で
読み手見向けて語りかけるスタイルで
書かれています。

だから、地の文が
どれみの語り口調で進んでいても
当たり前に読み進めていたんですが
132ページで1行空きの後、いきなり
「よく考えてみたら、MAHO堂のメンバーは、
 司さんを直接知らないんだよねー。
 あたしの貧しいボキャブラリーと表現力で、
 なんとか伝わったのかな。」
という、どれみの語りが入り、
(司さんというのは小説版の
 オリジナル・キャラクターです)
それに続けて
「おんぷちゃんが興味深そうに話を聞いて」
というふうに、
MAHO堂の場面を紹介する語りになる。

その直前の時間軸から飛んで
それまでの話がMAHO堂で
仲間に話していた内容であるかのように
そのように読めるような場面転換になってて
最初ちょっと、びっくりした次第です。


これがアニメとして表現されたんなら
どれみの視点からのドラマであっても
三人称、あるいは、いわゆるカメラアイで
物語が進行するので
ワイプ一発でMAHO堂のシーンになって
「というわけなんだよ」と
どれみが語りだしても
全然違和感を覚えなかったと思います。

ただ、これは活字(小説)なんで
そして、ナラティヴが、どれみの一人称なんで
132ページの1行空きのあと
先に引用したような文章が来ると
それまでの(第三章の)物語の位相を
MAHO堂での位相が
ぐるっと囲む感じになるというか
MAHO堂の時間軸が額縁になるというか
とにかく語りのレベルの飛躍が生じて
ちょっとびっくりさせられるわけなんです。


別のいい方をすれば
132ページまでに起きていた事件は
現在進行形かと思っていたら
もうすべて解決していて
その解決の経緯を
どれみがみんなに話している
というふうに
出来事の外側が露呈している
ということになりましょうか。

(よけい分かりにくいかw)


とにかく、この
132~134ページのパラグラフには
ハッとさせられました。

まあ、物語内容とは全く関係なく
小説の技巧的なレベルの問題として
面白く感じた次第です。

作者は、なーんも意識してないかも
しれませんけどね。


おお、内容にふれずに
やや長めの記事が書けました(苦笑)

面白さのツボが独りよがりなのは
まあ、措いときまして(^^ゞ


ちなみに、222ページの
家政婦は見た! 的な
おんぷちゃんのイラスト
ツボでした( ̄▽ ̄)


ペタしてね