
(秋田書店、2013年11月15日発行)
サブタイトルは「ウルトラマンの背中」
奥付上は15日発行になってますが
もう店頭に並んでます。
自分が購入した、駅の本屋では
ビニール袋に入ってましたが
駅の本屋であれば
この処理は正解だと思います。
第1期ウルトラ・シリーズの
現存する写真の中から
ウルトラマンやセブンはもちろん
怪獣・星人たちの
背面写真を中心に紹介した1冊。
正面写真を紹介する本は
星の數ほど出ていますが
背面に焦点を当てたのは
本書が初めてかと思われます。
その意味で、資料性が高く
文化的意義が大きい1冊でもあります。
文化の日に読むのに
これほどふさわしい本は
ないのではないか、と(かなり本気)
造型に対するコメントに
「こぼれ話」と題する
ドラマに対するコメントを付した
見開き記事を中心に
関係者インタビューや
まんが家たちのエッセイなどで構成。
誰にインタビューしたり
エッセイを書いてもらったりしたかは
上に掲げた写真で分かるので省略。
各怪獣・星人たちの造型や
エピソードについての
河崎監督のコメントが面白くて
あっという間に読めてしまいます。
河崎監督といえば
自分にとっては
「おバカ映画の巨匠」というより
奈央ちゃんが出ている
『猫ラーメン大将』(2008)や
前田知香さんがエンディングを歌っている
『いかレスラー』(2004)を撮った監督として
頭にインプットされています。
『いかレスラー』は
いまだに観てませんけど……(^^ゞ
(ソフトは持ってます。
知香さんのPVが特典で付いてるからw)
あと、後にそれほど関係するとは知らず
買って読んで面白かったのが
『ウルトラマンはなぜシュワッチと叫ぶのか?』

(メディアワークス発行、角川書店発売
2001年1月5日発行)
こちらも名著だと思いますが
いまだに文庫化もされず
一般的知名度が低いと思われるのは
残念なことです。
で、今回の『ウルトラ THE BACK』は
装幀も素晴しく、遊び心に満ちている。
カバーを外すと下のような感じですが


タイトル部分の拡大写真で確認できる通り
これは秋田書店の児童書
「写真で見る世界シリーズ」の装幀を踏まえており
分かる人なら感涙にむせぶ懐かしさでしょう。
カバー裏は下のような感じで
怪獣の背中ですが

カバーを外すと、下のように
正面写真になるという対照の妙。

そしてカバー袖の著者ポートレートが
背面写真という洒落の妙。
隅々まで作り込まれているという感じで
相も変らぬ企画やセンスで次々と出される
ムック類に比べると雲泥の差。
少なくとも本として
手にとらせる力や
読みたいと思わせる力の差は
歴然としていると思います。
河崎監督が「あとがき」で紹介している
編集者や営業の反応を読むだに
こういう本が出ること自体が奇蹟であり
日本の出版人の文化度はいかがなものか、と
(事情はそれなりに分かりますが……)
つくづく思った文化の日なのでした。
値段は若干お高めですが
雲霞のように出ている記念本の中では、
『ウルトラセブン研究読本』や
『ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた』、
『ウルトラマンが泣いている』と並んで
(『泣いている』は記念本じゃないけどw)
ダントツのおすすめ本です。