
(ロッキング・オン、2012年6月30日発行)
ほぼ1年前の新刊です。
出たとき買ってあったんですが
昨日たまたま手にとって読み始めたら
巻置く能わざる感じになって
今日、読み終えました。
本書は、渋谷陽一が編集長を務めている
総合雑誌『SIGHT』に連載された
内田樹と高橋源一郎が政治を語る対談を
連載順に集めた本(の2冊め)です。
インタビュアーというか
司会進行として、渋谷陽一も
その場にいて発言しているので
実質的には
六十過ぎの親爺三人の
時事放談みたいなものか、と。
一応このひとつ前の
『沈む日本を愛せますか?』
(ロッキング・オン、2010.12.20)
も買ってあって
読もうとしたんだけど
なんかノらないまま
未だに積読状態。
ところが続編である本書の方は
あっという間に読んでしまいました。
その理由は何なのかと考えてみると
この本で話題になっている3・11が
未だに終わっていない
という感覚があるのかなあ
というのと
某大阪市長の例の発言が
問題になっているからかなあ
ということに、落ち着きました。
本書の場合
2010年11月から2011年5月までの
連載6回分がメインになっていて
ちょうど3・11という
未曾有の災害を間に挟んでいます。
そうした中で「『風の谷』が、
21世紀の日本のモデルである。
我々は、『腐海』とともに生きるしかない」
というタイトルの対談(第4回)が
載っていたりする。
そして第6回が(2011年5月の時点での)
某大阪市長論になってるわけです。
みんな金のことしか言わないけれど
右肩上がりの成長なんてもう無理なんだから
スローライフを目指すしかなくって
それが「楽しい」というヴィジョンを
(貧乏だって捨てたもんじゃない、と)
語っていく必要がある
とか
そのためには(それと同時に?)
自分の身体に根ざした範囲で
ものごとを判断し、相手と向き合い、
責任をもって事にあたることが大事だ、
……というようなことが言われていて
感銘を受けた次第です。
その他、教育をめぐる話とか、
内田樹の本やブログを読み続けていれば
いつも言っていることだと
思う人もいるかもしれませんけど
大事なことは何度も何度も確認しないと
忘れちゃうしね(^^;ゞ