イタリアのクラヴィーア奏者
シモーネ・ステッラ Simone Stella の
Georg Bohm:
Complete Harpsichord and Organ Music
という4枚組のCDを購入しました。

$圏外の日乘-ステッラ『ベーム:クラヴィーア作品全集』
(Brilliant Classics 94612、2013.2.14)

発売年月日はタワーレコードのHPに拠ります。

Bohm の o には
アクセント記号(ウムラウト)が
付きますが
文字化けするので省略。

ゲオルク・ベーム(1661-1733)は
北ドイツ・オルガン楽派の一人で
若き日のバッハに影響を与え
後には親交を結んでもいたようです。


ベームの名前は
確かグスタフ・レオンハルトが
録音したのを持っていたはず
という記憶がかすかにあり
そのベームの鍵盤音楽が全曲入って
しかも4枚組で2000円程度なら
これは買うしかない! というわけで。

ブリリアント・レーベルのCDは
どれも安いのと、
バロックの珍しいものが多いので
ついつい買っちゃいます。


使用楽器は
チェンバロが
リュッカース(1638年)のコピー、
オルガンが
フランチェスコ・ザニン工房が
2006年に製作した
イタリアのパードヴァにある
サンタントーニオ・アバーテ教会
Chiesa di Sant'Antonio Abate にある
北ドイツ様式(たぶん)のオルガンです。

録音年は、チェンバロ曲が2011年9月、
オルガン曲が2012年5月ですから
出来たてほやほや、と
いっていいかも。


上でふれたレオンハルトのCDはこれ。

$圏外の日乘-レオンハルト『ベーム:クラヴィーア作品集』
(Sony Records SRCR-9145、1993.5.21)

チェンバロ曲ばかり8曲を収めたものですが
内2曲はクラヴィコードで演奏されていて
普通に聴いていると
途中でいきなり
音の大きさのレベルが下がります。

それに違和感を覚えて
レオンハルト・ファンの自分も
あまり聴かない1枚でしたが
ステッラの演奏はそういう意味では
違和感を覚えずに聴き通せるのが
まずは、ありがたいですね。

リュッカースの響きも
ジャーンという感じではなく
内省的で雅びな感じ。実によろしい。

ザニン製作のオルガンは
北ドイツ様式だからなのか分かりませんが
ギラギラ感が少なく、
ステッラの演奏が
過剰にパフォーマティヴじゃないから
これも、実によろしい。


なお、レオンハルト盤と
曲名が微妙に違うものがあったり
演奏楽器の異なるものが
若干あります。

レオンハルト盤で
チェンバロで演奏されている
2曲のコラール・パルティータ
(コラール変奏曲)が
ステッラ盤では
オルガンで演奏されているのです。

バロック時代は鍵盤楽曲は
チェンバロで演奏されようと
オルガンで演奏されようと
自由だったようなので
構わないのですが
ステッラは
宗教関係のものはオルガンで
と判断したのかもしれませんね。


輸入盤なのでライナーは英語ですが
(英語のみです)
バロック時代の鍵盤音楽ファンには
おススメの1枚といえるかもしれません。