$圏外の日乘-手塚治虫『サンダーマスク』
(秋田書店サンデー・コミックス、1980.10.10)

先日の千秋楽の帰り、
近所の古本屋で見つけました。

なぜか当時の定価より安かったので
即買いでしたが、
Amazon で検索してみたら、
サンデー・コミックス版はもとより
全集版(1983)、文庫版(1996)でも
簡単に買えるみたいで、
だからでしたか……。

でも買ったのは初版だよ(負け惜しみw)


おそらく多くの特撮ファンにとって
幻の作品である『サンダーマスク』。

手許の資料によれば、
1972年10月から1973年3月まで
日本テレビで放送されました。

子どものころ自分の田舎では日テレが映らず、
ずーっと観たことがなかったんですが、
つい最近、非常に画質の悪い映像で
数話、観る機会がありました。

そのテレビ版の方が原作で
手塚まんがの方がコミカライズになります。

テレビとまんがとでは全く違う展開で、
テレビの方は
出来の悪いヒーローものであったのに対し、
(これは観たからはっきりいえます。
 映像より、演出がひどい【苦笑】)
まんが版の方は
さすがに手塚治虫が手がけただけあって、
勧善懲悪のヒーローものにとどまらない
面白さが感じられました。


サンダーマスクに協力する博士の娘
高瀬まゆみの、手塚版の最後はすごいです。
これって、ドイツ・ロマン派か何かの
イメージを借りてきているのかと思ったり。

でも、お話自体は
いろんな設定をまとめ損ねている感じ。

設定を収束し切れてないのが残念。

だいいち、命 光一
(サンダーマスクに変身する青年)は
どうなったのやら。

カバー袖の作者の言葉によれば
「もっと長くなるはずだった」そうですが、
それが実現してたらなあ。


テレビ版は今後
市販ソフト化されるとは思えません。
(されたらすごいし、
 クリアな映像で観たいけどw)

でも、今の技術で、テレビ版じゃなくて
まんが版を原作にしてリメイクしたら
面白いかも、と思ったりしたことでした。