ドヴォルザーク作曲の
ピアノ・デュオCDを紹介してきましたが、
ピアノ・デュオのCDで
いっとき、よくかけていたのは
これだったりします。

$圏外の日乘-連弾版 ブランデンブルグ協奏曲
(MDG 330 0635-2、1996)

本CDの演奏は、ドイツの作曲家
マックス・レーガー(1873~1916)が
J・S・バッハのブランデンブルグ協奏曲を
2台のピアノ用に編曲したものによります。

本CDは輸入盤で、
「MDG」というのは
Musikproduktion Dabringhaus und Grimm
の頭文字からきてます。
CD番号の頭にMDGと付くのが
正式なのかどうかは、分かりません。

演奏は Sontraud Speidel と
Evelinde Trenkner の二人(の女性)で
録音は1995年6月です。

使用楽器はスタンウェイ・グランド・ピアノの
1901年製造のDモデル。

レーガーが
ブランデンブルグ協奏曲を編曲したのは、
1900年代初頭頃のようですので、
つまり本CDは、作曲当時のピアノを使って
演奏されているというわけです。


レーガーは、音楽史上は
新古典主義的な後期ロマン派
ということになるのかな?

ロマン派以降、
バッハのピアノ編曲というのが
数多く出ていましす。
メンデルスゾーンの
『マタイ受難曲』蘇演(1829)
をきっかけとして
バッハの認知度が上がり、
1850年からは
最初のバッハ全集の刊行が始まる
という具合に、
あがめるべき古典として
受容され始めたからです。


レーガーは、バッハの有名なオルガン曲
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565 を
4手のピアノ用に編曲してもいるんですが、
レーガーのバッハ編曲がいくつあるのか、
寡聞にして知りません。

とかいいつつ、ネットで検索かけてみたら
Bach with Piano というサイトが見つけました。
そこにあった
「バッハの音楽の編曲曲目データベース」
によれば、42曲だそうです。
(協奏曲の1楽章を1曲として数え、
 独奏版と連弾版がある場合は
 それぞれ1曲ずつカウントしての総数)

さすがに手持ちのCDでは及びもつかず……
いやあ、世の中にはすごい人がいるもんだ。


レーガー編曲のバッハ連弾曲については、
ブランデンブルグと、もうひとつ
管弦楽組曲のピアノ・デュオ版を
聴いたことがありますが、その限りでいえば、
おそらくブランデンブルグ協奏曲の
ピアノ・デュオ版の方が、
出来は良いのではないかと思います。

それはたぶん、
このブランデンブルグの編曲が
割と原曲の演奏をなぞるように
忠実に再現しようとしているように
聴こえるからかもしれません。


今、これを打ちながら聴いてると、
第4番 第1楽章の
ブロックフレーテ(リコーダー)と
バイオリンの掛け合いを模した演奏は
絶妙だなあと思います。

また違う時に聴くと、違うところを
絶妙だと感じることでしょうけど(藁