$圏外の日乘-『シダの群れ』パンフ

黒川芽以さんが出演している舞台
『シダの群れ』を観てきました。
(以下長文です。深謝)

知人に頼んで、いちおう前売りで
千秋楽公演のチケを取ってあるのですが、
千秋楽って、
それまでにないアドリブが入ったりして
特別じゃないですか。

だから1回は通常回の公演を
観ておきたかったんですが、
初日を確保しそこない、
あれよあれよという間に
前売りがソールドアウト。

そうなると当日券で入るしかないわけですが、
東京公演だけで28回もあるし
(後に1公演追加して、全29公演)
かえってどの日に行ったらいいか、見当もつかず、
こうなると気分とノリに委せるしかない、
という状況でした。

で、昨日は、横浜に添削済み答案を届ける用事があり、
それから寄ると、14時からの昼公演に、ちょうどいい。
平日の昼間、おまけに台風の影響で雨模様なら、
客足も鈍るのではないか、と思いたって、
答案を届けた後、渋谷に移動して、
当日券がないか、当たってみました。

したらば、ちょうど直前でソールドアウト(T_T)
後は立ち見かキャンセル待ちだと言われ、
幸運を祈ってキャンセル待ちすることにしました。

それでもダメなら、夜公演の当日券を狙うまで、
と思っていたのですが、
開演5分前に当日券売場に行くと
幸いにもキャンセルが出ました~(^^)v

席はH列6番。
舞台下手側で、すぐ後ろが通路の列でした。
舞台全体も見渡せて見切りもなく、
意外と良席でした。
(千秋楽はR列なんで、それよりもいい。
 なんだかなー【苦笑】)

公演時間は2時間半。途中15分の休憩が入ります。

ジャンルというか話の内容は、
ヤクザもの(仁侠もの・極道もの)なんですが、
ヤクザものには、まったく思い入れがなかったので、
それを知った途端に、やだなー、と思ってました。

作・演出の岩松了についても、よく知らないし。
イケメン(?)男優たちにも、思い入れ、ないし。

まあ黒川さんが立つ舞台だからしょうがない、
と思って観にいったわけですが、
観終わっての感想もやっぱり、
まあ黒川さんが辰舞台だからしょうがない、
というのが、正直なところです(^^;ゞ

ヤクザものがなぜ嫌かというと、
ヤクザって何を考えてるか分からない
というか、
気分がコロコロ変わるようなところが
あるじゃないですか。キレやすいというか。

だからどう反応していいか分からない、
分からないから常に相手の反応をうかがわざるを得ず、
それが恐怖や怯えにつながるわけですが、
(ちなみにこれは、内田樹先生の分析に拠ります)
その手の恐怖や怯えの感覚が、すっごくイヤ。

今回の舞台、ヤクザというキャラクターの
そういう訳の分からなさ、みたいなものが
やりとりに、よく出ている感じでした。
だから、話の筋(ないし先)が読めるようで読めない。
このキャラが何でこういうことをするんだろう、
何を考えているんだろう、ということを
舞台を観ながら常に考えさせられる感じでした。

おまけに最初は人間関係もよく把握できず、
第2幕で、ようやく輪郭が分かってきたくらいで。

とはいえ、だとしたら考えようによっては、
すごい舞台ということになるのかもしれません。
現実のヤクザに感じる焦燥感を
観客に感じさせるわけですから。

でもストーリーが把握できないと、
やっぱり舞台に没入できない気がするんです。
これは自分だけの観方・感じ方
なのかもしれないのですが……。

パンフなんかも読まないで観るのが好きなので、
最初、話を追うのが、ちょっと大変でした。
(あと、笑いのツボがよく分からなくて困った【苦笑】)

で、観終わった後、黒川さん演じるヨーコが
これまた結局、何を考えていたのか、
そしてなぜ最後にああなったのか、
頭のなか疑問符で、
釈然としない感じが残りました。

で、しょうがないから原作戯曲、
買っちゃいましたよ(苦笑)

ちょうどロビーでサイン本売ってたし(藁

黒川さん、祇園で落籍[ひか]された若頭の愛人
という役だったので、終始、京都弁でした。
一個所「ああ、そうそう」という台詞だけ、
東京弁に戻ったような気がされたことでした。

空耳かな~(藁

ポスターの印象とは違い、
極妻(=極道の妻)的ではなく、
はかなげで薄幸そうな感じが良かったです。
(第3幕あたりから微妙に変わっていく印象ですが)

あと、最後のあの演技、
すごかったけど、
どうやれば、ああいう効果が出るんだろう?

そっちの方が気になったりして(藁

え、もしかしてこれで終わりなの?
と思ってたら、出演者が全員出てきて挨拶。
(やっぱり終わりなんかーい【苦笑】)

一端引いた後、拍手に応えて再登場。
会場の灯がついて、それで終わりかと思ったんですが、
カーテンコールが続き、もう一度登場しました。

カテコの際、挨拶の言葉などの類いは、
いっさいありませんでした。

2度目、3度目のカテコで舞台から引く際、
黒川さん、会場に向けて両手をふって
可愛らしく引いてたのが印象に残りました。

黒川さんのカテコでの立ち位置
ちょうど自分の真正面でした。
(こちらが舞台の目線より微妙に上でした)
かといって気づいてもらえた
とかいう訳じゃなく
単にそれだけですけど(^^ゞ

それだけでも、良席だったかなあ、と(藁