
(ヤマハミュージックコミュニケーションズ
YCCW-00038、2002.4.17)
『不思議の国のアリス』第10章で
ウミガメモドキが歌う
「ウミガメスープ」に基づく歌が
入っているアルバムです。
ライナーには堂々と、
ルイス・キャロル作詞を謳っておりますが、
訳は新潮文庫の矢川澄子訳に拠っています。
『メゾピアノ』のアレンジに比べると、
若干キーが低め。
てか、ピアノ・ソロ版にする時に
キーを上げたんでしょうけど。
オリジナル歌唱版では
「♪す・すてきな ス・スープ」というサビ部分に
素敵にイカレたコーラスが加わります。
このアルバムに入っている
「向こう側の王国」と「ウミガメスープ」が
前に紹介した公演版『不思議の国のアリス』の
楽曲の一部だそうです。
「向こう側の王国」は、あえていえば、
キャロルの視点から
少し大人になったアリスに向けた
メッセージ・ソングなのかもしれないけど、
曲の雰囲気自体は
アリスなモチーフを感じさせませんね。
1曲目の「学びの雨」は
9・11後に報道された
アフガニスタンの子どもたちの映像を観て
感動して作った曲だそうです。
「風になれ~みどりのために~」
「DESERT MOON」系の、いい曲ですが、
個人的な好みとしては、テンポが良いアレンジの
「人がたくさんいる」とか
「電波塔の少年」の方が好きかな。
「♪人は人を殺せる そう作られた」と、
ゼンマイ仕掛けの猫やオルゴールの歌姫や
おもちゃや絵本が歌ったり、つぶやいたりする
というダークなサビがある
「ゆりかごの歌」も好みですね。
曲の雰囲気は『歪んだ王国』のテイストに近いです。
「学びの雨」がある一方で「ゆりかごの歌」を入れちゃう
谷山浩子ワールドの振幅がステキです。
ちなみに、声優の岩男潤子
(自分的にはC. C. さくらの大道寺知世ちゃん)
に提供した「パタパタ」(岩男潤子作詞)の
谷山歌唱バージョンも収録されています。
(て、調べてみて、初めて知ったのですが【^^;ゞ)