読みたい本・
読まねばならない本がありすぎて
迷った末に、
未読のクリスティーを読むことにしました。

(1940/恩地三保子訳、ハヤカワ・ミステリ、1957.8.31)
はい、まだ未読なのでした(^^;ゞ
手許にクリスティー文庫版がなく、
ハヤカワ・ミステリ文庫版すらなかったので、
本邦初訳版で読みましたが、
訳は文庫版と同じはずです。
だから、訳文に問題はないはずですが、
ただ表記が現在とは違うので、
ちょっと読みにくい感じだったかも。
本も、状態があまり良くないですね。
でも、作品自体は傑作でした。
プロローグは、法廷場面から始まります。
ヒロインであるエリノアが
叔母の住む館の門番の娘メアリイを毒殺した容疑で
逮捕され、裁かれることになったのです。
検察側の告訴内容を聞きながら、
そもそもの始まりに遡って
過去を振り返るエリノアの意識に合わせて、
小説の方もそこで過去にカットバックして、
メアリイが死ぬまでの物語が進みます。
エリノアは、叔母の義理の甥である
ロディーと婚約していたのですが、
ロディーはメアリイと出会った途端、
恋に落ちてしまう。
その嫉妬から殺したのだと思われていて、
証拠も全てエリノアに不利なものばかり。
叔母の主治医だったロード医師は
密かにエリノアを愛していて、
彼女の冤罪をそそぐために
エルキュール・ポアロに調査を依頼します。
最後に物語の場面は再び法廷になるんですが、
ミステリとしてはトリックも見事なら
伏線の張り方も大胆かつ見事なもので、
犯人の意外な正体には、びっくりさせられました。
また、恋愛小説風なテイストも良いです。
エリノアはロディーのことを熱愛しているのに、
ロディーはつくすタイプの女性が嫌いだから
クールなキャラを装っている、というあたり、
今でも充分ありそうです。
自分はロディーのようには
エリノアからは必要とされない、
と言うロード医師に対して、ポアロが、
エリノアはロディーに対して
「絶望的な恋を」していたが、
「一度だって必要としたことはない」、
だがあなたはエリノアにとって必要な人だ、
と言うあたりに、
クリスティーの、あるいはイギリス風の
恋愛観をかいま見ることができて、
興味深いですね。
読まねばならない本がありすぎて
迷った末に、
未読のクリスティーを読むことにしました。

(1940/恩地三保子訳、ハヤカワ・ミステリ、1957.8.31)
はい、まだ未読なのでした(^^;ゞ
手許にクリスティー文庫版がなく、
ハヤカワ・ミステリ文庫版すらなかったので、
本邦初訳版で読みましたが、
訳は文庫版と同じはずです。
だから、訳文に問題はないはずですが、
ただ表記が現在とは違うので、
ちょっと読みにくい感じだったかも。
本も、状態があまり良くないですね。
でも、作品自体は傑作でした。
プロローグは、法廷場面から始まります。
ヒロインであるエリノアが
叔母の住む館の門番の娘メアリイを毒殺した容疑で
逮捕され、裁かれることになったのです。
検察側の告訴内容を聞きながら、
そもそもの始まりに遡って
過去を振り返るエリノアの意識に合わせて、
小説の方もそこで過去にカットバックして、
メアリイが死ぬまでの物語が進みます。
エリノアは、叔母の義理の甥である
ロディーと婚約していたのですが、
ロディーはメアリイと出会った途端、
恋に落ちてしまう。
その嫉妬から殺したのだと思われていて、
証拠も全てエリノアに不利なものばかり。
叔母の主治医だったロード医師は
密かにエリノアを愛していて、
彼女の冤罪をそそぐために
エルキュール・ポアロに調査を依頼します。
最後に物語の場面は再び法廷になるんですが、
ミステリとしてはトリックも見事なら
伏線の張り方も大胆かつ見事なもので、
犯人の意外な正体には、びっくりさせられました。
また、恋愛小説風なテイストも良いです。
エリノアはロディーのことを熱愛しているのに、
ロディーはつくすタイプの女性が嫌いだから
クールなキャラを装っている、というあたり、
今でも充分ありそうです。
自分はロディーのようには
エリノアからは必要とされない、
と言うロード医師に対して、ポアロが、
エリノアはロディーに対して
「絶望的な恋を」していたが、
「一度だって必要としたことはない」、
だがあなたはエリノアにとって必要な人だ、
と言うあたりに、
クリスティーの、あるいはイギリス風の
恋愛観をかいま見ることができて、
興味深いですね。