
(2009/古賀弥生訳、創元推理文庫、2009.11.27)
フレーヴィアは化学を愛する11歳。
ある朝、自宅のキュウリ畑で死体を発見。
前夜、父を書斎で強請っていた赤毛の男だった!
でも、フレーヴィアは、
そんじょそこらの小娘と違う。
初めて見る他殺死体に「うっとり」(藁
でも、警察がやってきて捜査を始めて、
ついには切手マニアの父親が拘留されてしまう。
父親の無実を証明するために、
化学ヲタク少女フレーヴィアの調査が始まる!
……というお話です(^~^)
犯人の見当は、半分を過ぎたあたりでつきます。
だって、こいつが悪者だと、
すべてが収まるところに収まるもの(藁
だからフーダニット(犯人当て小説)としては
今イチな感じもしますが、
後半の展開は見事でした。
過去の自殺事件に
トリッキーな説明がつくとは
思いもよりませんでした。
いや、つくだろうとは思いましたが、
伏線が張ってあるとは思いもよらず。
特に感心したというか、
おやっと思って読む姿勢を改めたのが第21章、
フレーヴィアがある人物を
老人ホームに訪ねていくのですが、
その人物のフレーヴィアに接する態度といい、
フレーヴィアに見せたある行動といい、
感銘を受けました。
昔風のいい方をすれば
おしゃまなフレーヴィアの師匠が現われた感じ。
その後、殺人犯に捕まり、拘束されて
ピンチに陥った時の
フレーヴィアの態度もあっぱれでした。
唐突ですが、自分はP・D・ジェイムズの
『女には向かない職業』を連想しました。
つまり本書は、P・Dへのリスペクト、
『少女には向かない職業』なのか~!
と思ったくらいでして
(海外ミステリ・ファン以外には
分かりにくいか~【藁 )。
そして、犯人の拘束から解放された時の
フレーヴィアの天敵である姉の態度と、
その裏に隠されたものを知った時(p.426)は
大爆笑してしまいましたo(^^o)(o^^)o
最後の最後、あるものを国王に返す時の
一連のシークエンスも最高です!
王様と臣民って、こうじゃなくっちゃ!
(少なくともフィクションでは!)
何でこういうノリが
日本のミステリで書かれないのか
不思議でしょうがないですね。
これはオススメ。
犯人はすぐに分かっても、
分かるまでの過程がロジカルなのと、
分かってからの過程がロジカルで
(下水道のようなところで
平静さを保つために推理しちゃうのが
イカしてるぅ!【死語w】)
ユーモアに満ちているからオススメなんですが、
安易にオススメというと、
周りの人には、ロジカルならぬ
ロリカルだからといわれそうで
くやしい~(><)
自分が、少女探偵ものに
甘いということを抜きにしても、
オススメなんだよ~ん(笑っ