バッハといえば、
その本領を発揮しているのは、
チェンバロやオルガンによる独奏曲
ないし室内楽や協奏曲などの器楽曲ではなく、
声楽曲である、といわれることがあります。

古楽演奏にハマった頃、$圏外の日乘-磯山雅『J・S・バッハ』
買って参考にした
磯山雅(ただし)の
『J・S・バッハ』
(講談社現代新書、
 1990.10)には、
「私は声楽曲が好きで、
 とくにカンタータこそ
 バッハの神髄、という
 気持ちをもっている」
とありまして、
そうか~、
と愚直に信じた自分は、
いつかカンタータを、
それも全曲
聴いてやろうと、
思い立ったのですが……

カンタータというのは、基本的に、
プロテスタントの教会での礼拝時に
聖書朗読と章句説明の説教の前後に演奏される、
その日のテーマに合わせた内容の
器楽伴奏付きの独唱および合唱を組み合わせた
声楽曲のことをいいます。

その他に、結婚式や葬式、就任式など、
様々な機会に合わせて
貴族や市民のために作ったものもあります。

教会で歌われる礼拝音楽は
教会カンタータといい、
貴族や市民のために作ったものを
世俗カンタータといいます。

1曲だいたい20~30分くらいなんですが……

バッハはその生涯に
約300曲の教会カンタータを作曲したとされていて、
現存しているものだけで約200曲あります
(世俗カンタータは、それとは別に20曲ほど)。

というわけで、全部通しで聴くと
60~70時間ほどになりますかね(遠い目)

バッハに興味を持った当時、全曲録音のCDは、
古楽器による演奏では、
ニコラウス・アーノンクールと
グスタフ・レオンハルトが
それぞれの楽団を率いて
共同で録音したものがありました。

当時、それ以外に出ていたのは
ヘルムート・リリングの現代楽器による演奏盤で、
どうせ買うなら古楽演奏盤がほしい
と思ったことでしたが、
日本で販売されている直輸入盤は
そろそろ店頭から消えかけている頃で……

とりあえず見かけたので購入したのが、
下の『カンタータ大全集』第1巻です。

$圏外の日乘-カンタータ大全集 第1巻
(ワーナーミュージックジャパン 51P2-2501~2、1985?)

レーベルはテルデックです。

でもまあ、CDにして60枚ありますからね。
これは1枚の3曲入れた場合で、
最初のCD発売当時は1枚に2曲が普通。
2枚組で当時5300円ほど(税込)。
中には1枚組のものもあり、
結局何巻で完結していたのか分かりませんが
(記憶では全45巻ぐらいだったかと)、
とても全巻購入なんて無理。

と早々に諦めて、というか
第2巻を見つけることもなく、
従ってそのまま続きを買うこともなく、
店頭からも見なくなって久しい
ある日のこと、
原盤を6枚組にして1 BOXとした
10 BOXセットの輸入盤を見つけました。

(つづくw)