曽根麻矢子の新譜が出てないかな~
と思って、Amazon やら HMV やらで
検索をかけていたある日のこと。

Mayako Sone(最後の e にアクサン)の
D. Scarlatti: Harpsichord Sonatas の文字がっ!

レーベルは apex 、聞いたことない!
ジャケ↓も見たことない!

$圏外の日乘-スカルラッティ・ソナタ集(曽根麻矢子)
(Warner Classics & Jazz 2564-69896-8、2007)

これは! と思い、買いましたともさ~。

したらば何と、1994年に発売された
『情熱のファンダンゴ』↓の再発売盤でした……orz

$圏外の日乘-情熱のファンダンゴ
(ワーナー クラシックス ジャパン WPCS-4001、1994.4.25)

邦盤の正確なタイトルは、
『情熱のファンダンゴ
 ~D. スカルラッティ:知られざるソナタ集』。
もとの原盤の英語タイトルは
D. Scarlatti: Unpublished Sonatas.
(仏語タイトルは、文字化けするので省略)

ずるい……orz

『情熱のファンダンゴ』は
曽根麻矢子の2枚目のアルバムです。

曽根さんの師匠は
スコット・ロスというチェンバリストで、
ロスは、ドメニコ・スカルラッティの
555曲ある鍵盤楽器用のソナタ
(一部、器楽曲あり)を
世界で初めて録音したという
偉業の持ち主なんですね。

ドメニコ・スカルラッティは
バッハと同じ1685年にイタリアで生まれ、
その後、ポルトガル王女の音楽教師に就任。
スペインの王子と結婚した王女に同行して
スペインに渡り、1757年に死ぬまで
マドリードで過ごしました。

その王女の練習曲として書かれたソナタが、
溜まりに溜まって555曲あるというわけです
(全部が全部、練習曲じゃないかもしれませんが)。

『情熱のファンダンゴ』は、
上のロスの全集以後に発見されて、
ロスが録音できなかった作品を集めたものです。
そこで「知られざるソナタ集」と付けたわけ。

だから、まあ、ぶっちゃけ、落ち穂拾いです。
スカルラッティの555のソナタを
聴き込んだ人以外には、あまり縁がない
(いま気づいたけど、
 ファイズのソナタとも読めるねw)。

自分もそう思ってたので、
あまりプレーヤーにかけてません。
曽根麻矢子ファンとしては
とりあえず押さえとく、そんな感じ(藁

ただ、最近、現代のピアノの原型である
クリストフォリ製の
フォルテ・ピアノへの関心が高まり
(自分ではなく、世間的に——狭い範囲の世間的にw)、
優れた演奏のディスクを聴いたせいで、
ちょっと気になって聴き直しました。

でも、やっぱり今イチ(苦笑)

資料性とか、演奏の質とか
そういうのは別にして、
良いと思うのは、表題にもなってる最後の
ファンダンゴくらいだと思います。

ファンダンゴというのは、
スペインの民族音楽のひとつで、
フラメンコでいちばん多く使われている
基本リズムのひとつだそうです。

そのファンダンゴのリズムを
チェンバロで模倣したもの、というか
チェンバロ曲に取り入れたものが、
スカルラッティのファンダンゴです。
発見された手稿譜を基に
(完成形ではない可能性があるため)
曽根麻矢子自身がアレンジしたものを
録音しています。

これが実にいいんですが、
いいと思う理由はこの次に(藁