$圏外の日乘-東京行進曲
(キングレコード KICC-212、1997.6.21)

『あの子はたあれ』と同時にリリースされた盤です。

「♪いっそ小田急で 逃げましょか」
の歌詞で有名な表題曲を初めとして、
昭和初期から昭和40年(1960年代半ば)までの
流行歌が収められています。

自分の場合だと、子どもの頃に、
親が観ていたNHKの歌番組などを、
観るともなしに観ていて、
耳にしていた曲がほとんどで、
どこか懐かしい。

「リンゴの唄」なんて、$圏外の日乘-東京行進曲(ジャケ裏)
戦後の焼跡に流れて
希望を与えたことを
象徴する歌として、
定番の曲だったと思います。
オリジナルの歌唱では
ありませんが、
テレビではよく藤山一郎が
朗々と、歌っていたような
気がします。

これも藤山一郎でよく聴いた
「青い山脈」や
笠置シヅ子の
「東京ブギウギ」、
ディック・ミネの
「上海帰りのリル」、
菅原都々子の「月がとっても青いから」、
ペギー葉山の「南国土佐を後にして」
等々、どれもなぜか懐かしく(苦笑)、
全てピアノ伴奏(花岡千春)で歌われるのが、
またよろし。

こんな良い曲だったかと、びっくりしたのが、
第7回レコード大賞(1965年)の作曲賞を受賞した
倍賞千恵子の「さよならはダンスの後に」で、
これ、実は、
例の『月光仮面』や『少年探偵団』を手がけた
小川寛興の作曲だったりします。

ただし、「さよならは」は、曲が先にあって
歌詞は後から付けたものだそうで、
こういうのを「填詞」
(「てんし」ないし「あてぶり」と読みます)
というようですが
(翻訳唱歌は、いってみればみんなこれw)、
そのため話し言葉のイントネーション通りに
歌詞づけすることが可能だったのだとか。

それにしても、なんで自分が子どもの頃は
あんなにナツメロ番組があったんだろうと
不思議な気がしますが
(今もあるのかな?)、
ちょうど、現在にまでつながる
アイドル歌謡の勃興期で、
若者向けのポップスが少なかったことと、
そうしたポップスは正統的な歌謡曲とは別物
という共通認識が、
何となくあったからではないかと思いますが、
どうなんでしょうね。

いずれにせよ、ナツメロ番組のおかげで
藍川由美のCDが楽しめるわけで、
結果オーライ、ラッキー、てな感じでしょうか(藁

ちなみに当盤も品切れ(廃盤?)で、
Amazon で、やっぱり
定価の4倍ほどの値が付いていました。