バッハのフルート・ソナタの
モダン・フルートによる演奏も、実は持ってます。

圏外の日乘-グラーフのフルート・ソナタ
(キングレコード KICC 7204、1992.8.21)

録音は1973年5月、
レーベルはクラヴェースです。

モダンの演奏まで買うんですから、
自分的には、よっぽどロ短調ソナタに惚れこんだ
ということになりますかね。

今見たら、発売年月日が
ブリュッヘン盤と同年だし(苦笑)

ただし、ブリュッヘン盤を買った翌年に
すぐに買ったわけではありません。

これは田舎に帰ったときに、
なんか珍しいCDがありそげな店が目について、
まあ期待したほどではなかったんですが、
何も買わずに出るのは悪いかなと思って
購入したものです。

真作・偽作を問わず
BWV1030から1035まで、
全6曲を収めています。
ただしBWV1032は、
第1楽章の後半が伝わっていないため
という理由で、演奏されていません。

先に紹介したブリュッヘンやバルトルドの演奏は
それぞれ、奏者によって補筆されたものを
演奏していたわけです。

てことは、このブログを書くために
グラーフのCDを引っ張り出してきて、
思い出しました(^^;ゞ

演奏は、ペーター=ルーカス・グラーフ、
チェンバロのイェルク・エーヴァルト・デーラー、
通奏低音を伴う曲には、ファゴットで
マンフレート・ザックスが参加しています。

改めて聴いてみると、
本来ならチェンバロで演奏される
通奏低音でない声部を
ファゴットが担当しているっぽいですね。
そのため、声部の違いが
非常にクリアに分かります。

なお、使用されているチェンバロは、
マルティン・ショルツ製だと
ライナーにありますが、
音色を聴いた印象では、モダン楽器っぽい。

この盤で初めて、超有名な(と後で知ったw)
変ホ長調ソナタ BWV1031 の第2楽章
「シチリアーノ」を聴きました。

これは、哀愁あふれる名曲で、
偽作だからという理由で古楽演奏で聴けないのは、
まことにもって残念なことです。

演奏は、さすがモダン・フルートという感じで、
非常にクリアな伸びのある音を出しています。
実はブリュッヘンもバルトルドも
(マルク・アンタイもそうかな)、
スピーディーさ、という点で、
物足りないものを感じていたんですが、
グラーフの疾走感は、心地よいです。

だからモダンの演奏が聴きたいなあと思うと、
というか、スピーディーな演奏が聴きたいという時、
出してくるのはこの盤になります。

といっても、モダン・フルートによる演奏は、
これ以外には、あと1枚
ラリューの演奏(1967年録音)のしか
持っていないんですけどね(苦笑)