イケヤです

前回の続きです。
ブレイクダンスショウの成功とは、
また別のストーリーがあるんだ。
おれがブレイクダンスを始めた理由は、
学業成績が悪いと、
教師からも、
生徒からも
認められない学校で、アイデンティティを勝ち取るため。
そして、それに没頭し始めたんだけど、
依然として、テストの成績は改善しなかった。
ダンスに没頭したいからといって、勉強をやらなかったわけじゃない。
部活を終えて、
塾に行き3,4時間勉強した後、
深夜にダンスの練習をしていたんだ。
しっかり勉強時間を確保して行なっていたのに、改善はされなかった。
何故だ??
その答えは、その当時は見つからなかったし、
ブレイクダンスを極めたかったから、
【とにかく、今は文化祭の発表まで、ブレイクダンスに没頭して、そこから受験勉強に没頭しよう】
と考えていた。
部活に没頭していた奴が、そのパワーを勉強に活かして、勢いで有名大学に合格するように、
おれもそれが出来るだろう、と考えていた。
今思えば、その自信に根拠はなかった。
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それから時は過ぎ、
高校3年生。
今だに学業成績は改善しなかった。
むしろ悪化していた。
ブレイクダンスの成功だけを
夢見て、現実には目を逸らしていた。
成績改善に対して何もアクションをしなかったわけじゃない。
塾の講師にも相談したけど、イマイチな答えしか得られなかった。
今思えば、塾が完全にカスだった。
結構、真剣に相談したにもかかわらず、適当に返事をされるだったんだ。
現状を改善する具体的なアクションプランを用意して欲しかった…
その塾は、河合塾や代ゼミのような大きなものではなく、
おれの住んでいた地区にのみ存在する小さな塾だった。
おれは、塾で授業は取らず、代ゼミサテライン(代ゼミの授業がDVDに録画されたものを、観る授業スタイル)
(東進に似ている)
を受講していた。
だから、その塾には講師の数が少なく、必然的に頼りになる講師もほぼいなかった。
まさに、おれは目隠しをして有名大学合格というゴールに向かっていたんだ。
正しい方角に歩んでいる可能性はゼロだった。
そして、5月の文化祭でブレイクダンスのショウを成功させた。
決めていた通り、文化祭を機にブレイクダンスとは
縁を切って受験勉強に没頭した。
とにかく、勉強しまくった。
毎日、午前3時まで勉強した。
学校の授業についていけないほど、おれは他の生徒から遅れていた。
遅れ過ぎて、授業を聞いても意味がないと判断して、
授業中は寝るか、内職をしていた。
当然、教師はそれを発見してキレてきた。
おれはそんなにストレス耐性がなかったから、
教師からのプレッシャーにかなりストレスを感じた。
さらに、
睡眠不足によって、身体も精神もボロボロに追い込まれていた。
授業中、寝ないためにシャープペンで手の甲を刺し続けた。
中休み、昼休みもひたすら勉強した。
一回、トイレで寝てしまい5限~6限に行かなかったこともあった。
寝ないために、目にチカラを入れて授業を聞いていたら、教師に嫌われて、おれだけ質問されなくなった。
ひたすら勉強し過ぎて、女の子にキモいと言われたこともあった。
分からない問題を、教師に質問し過ぎて、キレられた。
おれもキレて、教師に暴言を吐いた。
職員室中に響き渡った。
一言も友達と喋らない日があった。
早く、夏休みになって欲しい。
それだけを願っていた。
それだけ学校と学校にいる人間がキライになっていた。
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夏休み。
変わらず勉強しまくり。
1日16時間が目標だった。
呑み込むツバが血の味がした。
突然、身体が動かなくなり、
2日間入院した。
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ここまで、没頭出来たのは、
やればやるだけ成績は上がる!
と自分を信じていたから。
理由のない自信があった。
やったぶんだけ報われると信じていた。
9月の模試から良い結果が出始める
だろう、と完全に信じていた。
希望があった。
希望があったからこそ、没頭出来た。
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9月。
キライな学校が始まった。
毎週のように、土日に模試があった。
結果が出ると信じていた。
問題用紙と解答用紙が配られる。
問題を解き始める。
ペンは進まない。
その事実を受け入れられなかった。
この模試とは、相性が良くなかった。と自分に言い聞かせる。
言い聞かせる。
言い聞かせる。
言い聞かせる。
この模試とは、相性が良くなった。と言い聞かせる。
そして、それは無理な話だった。
残りの時間、
頭の中に、
夏、聴いていたメロディーが響き渡った。