Radioheadを聞きたくなるようなストーリー② | 若者たちは、五度死ぬ。

若者たちは、五度死ぬ。

The Underground Youth

だから




イケヤですひらめき電球


前回の続きです。


ブレイクダンスショウの成功とは、
 また別のストーリーがあるんだ。


おれがブレイクダンスを始めた理由は、
学業成績が悪いと、
教師からも、
生徒からも
認められない学校で、アイデンティティを勝ち取るため。



そして、それに没頭し始めたんだけど、




依然として、テストの成績は改善しなかった。

ダンスに没頭したいからといって、勉強をやらなかったわけじゃない。



部活を終えて、
塾に行き3,4時間勉強した後、
深夜にダンスの練習をしていたんだ。


しっかり勉強時間を確保して行なっていたのに、改善はされなかった。



何故だ??



その答えは、その当時は見つからなかったし、
ブレイクダンスを極めたかったから、
【とにかく、今は文化祭の発表まで、ブレイクダンスに没頭して、そこから受験勉強に没頭しよう】

と考えていた。



部活に没頭していた奴が、そのパワーを勉強に活かして、勢いで有名大学に合格するように、
おれもそれが出来るだろう、と考えていた。





今思えば、その自信に根拠はなかった。





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それから時は過ぎ、
高校3年生。


今だに学業成績は改善しなかった。
むしろ悪化していた。
ブレイクダンスの成功だけを
夢見て、現実には目を逸らしていた。



成績改善に対して何もアクションをしなかったわけじゃない。
塾の講師にも相談したけど、イマイチな答えしか得られなかった。



今思えば、塾が完全にカスだった。

結構、真剣に相談したにもかかわらず、適当に返事をされるだったんだ。



現状を改善する具体的なアクションプランを用意して欲しかった…






その塾は、河合塾や代ゼミのような大きなものではなく、
おれの住んでいた地区にのみ存在する小さな塾だった。

おれは、塾で授業は取らず、代ゼミサテライン(代ゼミの授業がDVDに録画されたものを、観る授業スタイル)
(東進に似ている)
を受講していた。

だから、その塾には講師の数が少なく、必然的に頼りになる講師もほぼいなかった。

まさに、おれは目隠しをして有名大学合格というゴールに向かっていたんだ。

正しい方角に歩んでいる可能性はゼロだった。





そして、5月の文化祭でブレイクダンスのショウを成功させた。
決めていた通り、文化祭を機にブレイクダンスとは
縁を切って受験勉強に没頭した。


とにかく、勉強しまくった。
毎日、午前3時まで勉強した。

学校の授業についていけないほど、おれは他の生徒から遅れていた。

遅れ過ぎて、授業を聞いても意味がないと判断して、
授業中は寝るか、内職をしていた。

当然、教師はそれを発見してキレてきた。

おれはそんなにストレス耐性がなかったから、
教師からのプレッシャーにかなりストレスを感じた。

さらに、
睡眠不足によって、身体も精神もボロボロに追い込まれていた。

授業中、寝ないためにシャープペンで手の甲を刺し続けた。



中休み、昼休みもひたすら勉強した。



一回、トイレで寝てしまい5限~6限に行かなかったこともあった。



寝ないために、目にチカラを入れて授業を聞いていたら、教師に嫌われて、おれだけ質問されなくなった。



ひたすら勉強し過ぎて、女の子にキモいと言われたこともあった。



分からない問題を、教師に質問し過ぎて、キレられた。
おれもキレて、教師に暴言を吐いた。
職員室中に響き渡った。


一言も友達と喋らない日があった。






早く、夏休みになって欲しい。
それだけを願っていた。
それだけ学校と学校にいる人間がキライになっていた。


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夏休み。

変わらず勉強しまくり。
1日16時間が目標だった。


呑み込むツバが血の味がした。



突然、身体が動かなくなり、
2日間入院した。




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ここまで、没頭出来たのは、

やればやるだけ成績は上がる!

と自分を信じていたから。




理由のない自信があった。





やったぶんだけ報われると信じていた。



9月の模試から良い結果が出始める

だろう、と完全に信じていた。



希望があった。
希望があったからこそ、没頭出来た。



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9月。

キライな学校が始まった。
毎週のように、土日に模試があった。

結果が出ると信じていた。




問題用紙と解答用紙が配られる。
問題を解き始める。





ペンは進まない。







その事実を受け入れられなかった。

この模試とは、相性が良くなかった。と自分に言い聞かせる。


言い聞かせる。




言い聞かせる。




言い聞かせる。




この模試とは、相性が良くなった。と言い聞かせる。




そして、それは無理な話だった。





残りの時間、
頭の中に、

夏、聴いていたメロディーが響き渡った。