自称エコビレッジビルダー、実際は満足のいく実績ゼロという【奇妙な矛盾】を抱えつつも

十年以上も詐欺活動を続けている悪質な事例。

 


① コラボで信頼を演出する

まず彼らが仕掛けるのは、“信頼の演出”です。
著名インフルエンサーとのコラボ動画やトークイベントを行い、相互紹介によってフォロワーを増やします。

表面的には華やかで、あたかも「実績ある人物」と錯覚させるのが狙いです。
実際には中身が伴わなくても、“つながっている感”が信頼を生む――SNS時代ならではの心理操作です。

 


② 架空の経歴と理想郷のストーリー

次に、聞き心地のよい理想論を語ります。
「エコビレッジ」「自給自足の村」「誰もが幸せに暮らせる世界」――。
こうした夢のあるキーワードを並べ、あたかも現実化しているように語るのが特徴です。

しかし、裏を取れば「完成事例ゼロ」「現場は未整備」「写真だけが華やか」など、実態のないケースが多いのが現実。
“ストーリーで信じ込ませる”ことこそが、彼らの真骨頂です。

 


③ 高額契約やイベントへ誘導

理想を信じ始めた人に対し、次の段階では会員ビジネスや高額講座、イベントへの参加を勧めます。
「この活動を一緒に広めましょう」「あなたも仲間に」などの言葉が誘い文句です。

最初は小さな寄付や体験費から始まり、やがて高額な契約や出資を求められるケースもあります。
“信頼した後”だからこそ、疑いを持ちにくくなる――これが心理的な落とし穴です。

 


④ 責任を取らず、話をすり替える

やがて、建築やプロジェクトで問題が起きても、説明は一切なし。
「自分は悪くない」「他人が妨害した」と言い訳を重ね、責任を転嫁します。

建築後わずか数ヶ月で欠陥が現れ、依頼者が困っても知らぬ顔。
被害者が声を上げても、「あの人の誤解」「嫉妬による中傷」として片づける。
――まさに、加害者が被害者を装う典型的な構図です。

 


⑤ 信じてしまう理由

なぜ、多くの人が騙されてしまうのか。
それは、「話を聞くだけで検証しない」 からです。

人は希望を信じたい生き物です。
だからこそ、実績を確認するよりも「この人なら信じられそう」という感情で判断してしまう。
その隙を突いて、詐欺師は堂々と嘘を語るのです。

 


⑥ 自衛のためにできること

被害を防ぐために、最低限これだけは確認しましょう。

  • 話よりも「現物」を見る(完成した建物・契約書・登記情報)

  • 第三者に相談する(専門家・経験者・行政窓口)

  • 「急かす・煽る・限定する」人とは距離を取る

夢を持つこと自体は素晴らしいことです。
しかし、夢を語る人の“足跡”が現実に残っていないなら、それは幻想にすぎません。

 


■おわりに

SNS時代は、言葉ひとつで人を動かすことが容易になりました。
だからこそ、私たちが「信じる前に確かめる」姿勢を持つことが、なによりの防御策になります。

夢を語る人が悪いのではなく、
「夢を利用して人を傷つける者」 にこそ、私たちは目を向けなければなりません。