その男・・・



彼は一見して普通じゃないとわかる外見をしていた。

ガイコツに皮が張り付いたような黒ずんだ顔の男、

しかし、周囲の人間は彼のダンディさと

人生を肯定する姿に

感動と衝撃を受ける…



「人生はいいことばかりだな、」

「石にけつまづいて倒れても、いいし、病気になってもいいし・・・」



末期病棟は

外出は自由


患者の好きにさせてあげようという病院側の配慮


だから、彼は好きなタバコを吸い続け、

もう、ろくに食事をできない身体なのに

「人間って食べなきゃ生きていけねえからな」といって

食物を口にいれて、あとでこっそり吐き出す・・・



痛みどめを使い全身に転移したガンを

人生に受け入れて

その日その日を暮らしている



ある、ガン患者は

彼に会って話したとたんに

自分の病気の状態を


「捨てた」。


「あんなの見たら、オレなんか、なんも言ってられないでしょ」


それまで、深い絶望と悲しみで落ち込んでいたのに


意識が変化をとげた




それから

明るく変身した

そのガン患者は


一般人以上に

健康な人生を送り始めた。


そして、今日も元気に暮らしている、



そしてダンディ氏は


今年亡くなった



でもダンディ氏の言葉は

今日も

われわれに力を与えてくれている。





そして今日は

病気を捨てた笑顔のガン患者は

他の人に元気を与えている・・・・