今季独走態勢を固め、マジック1で少し足踏みしていた広島カープが、土曜日に東京ドームで行われた巨人との直接対決を制し、25年振りのリーグ優勝を決めた。
広島と言えば昔からFAやメジャーからビッグネームを補強することなく、無名の高校球児を鍛え上げて一流選手に育成する伝統がある。
今季優勝したチームのメンバーでも、全国区のスター選手は出戻りの黒田と新井くらいで、他に知っている選手は丸や野村辺りまでである。(広島ファンでもなく、最近プロ野球を観ることが少ないので、広島ファンにはご無礼お許し下さい。)
広島と言えば投手王国のイメージが強い。25年前の優勝時も大野、川口、佐々岡が居た。その前に古葉監督時代に赤ヘル軍団として一時代を築いた時も、北別府、津田、山根、長冨など多士済々である。
その後も黒田、紀藤、最近では前田健太らを輩出している。
一方打者でも山本浩二、衣笠、高橋慶、正田、前田智徳、江藤、野村、金本、新井などが活躍している。おっと現監督の緒方孝市も忘れてはならない。
無名の選手が広島での猛練習で開花し、しばしばFAで他のチームに転出して行くが、何故か他のチームでは広島時代の輝きを失ってしまうことが多いように思われる。
阪神時代の新井がその典型ではなかろうか。広島に戻ってからは表情も明るくなり、勝負強い打撃が完全に復活したようだ。
一方の巨人は、木曜・金曜と意地を見せたのは良いが、結局ホームの東京ドームで広島の胴上げを眺めるという、間の抜けた結末となった。
高橋由伸新監督の初シーズンは、2位とは言え優勝した広島に大差を付けられた。チームの顔触れも新鮮味が全くない。チームを牽引する坂本や阿部のエラーを見ても、メンバーの大幅な入替を含め抜本的な改革が必要だろう。
FAと外人に頼るチーム作りも、広島を見習い再考すべきだ。
しかし昨季はヤクルト、今季は広島といろんなチームが優勝するのは良い事である。リーグの活性化ひいては地域経済振興のためには、巨人はあまり勝たない方が良いのかも知れない。
広島にはまずは優勝おめでとうと言いたい。しかし目標は日本一の筈。クライマックスシリーズを確実に制して、日ハムかソフトバンクとの日本シリーズに臨んでほしい。率直に言うとパリーグの方が地力はかなり上だ。格上相手に広島野球が通用するか、見ものである。
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