私の本棚➡ブックオフ行き① | アンクルコアラのブログ

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日本酒、ラグビー、美術展、日本古代史、その他ランダムに雑感を綴って行きます。気まぐれなので更新は不定期かも?


小林秀雄の「考えるヒント」1・2・3を読了した。それらの骨っぽい内容は充分「ゆるんだ能を刺激」させられるもので流石は「知の巨人」、久し振りに名著を読む醍醐味を味わうことができた。その紹介は、改めてテーマを絞り何回かに分けて書かせて頂くこととしたい。

このような硬派の書を、根を詰めて読んでいると私のような凡人には疲れるので、時々エンタメ系の読書で頭をリラックスさせる必要がある。

ということで本屋で新刊を物色、肩の凝らない面白そうなものを数冊購入した。その中から終戦の日から近くなったこともあって「異聞 太平洋戦記」(柴田哲孝著 講談社文庫)を読んだ。
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「この物語はすべて事実に基づいたフィクションである」を売り文句として①東京大空襲②真珠湾攻撃③山本五十六戦死④久米島事件⑤ノモンハン事件の意外な真相を推理・展開している。

歴史好きの私としては「そそる」モチーフであり、下山事件を題材にヒットを飛ばした著者を信頼して読み進めたものである。

読後感は、残念ながら「買わなきゃ良かった」が正直なところである。5つのエピソードの中では、久米島事件がドキュメンタリーな迫真の筆致で読ませるが、小説としてはヒネリもなく物足りない。山本五十六の話も「さもありなん」と思えるプロットではあるが特段のサプライズはない。

その他の3篇は昔流行った陰謀史観を焼き直した印象で、最後まで読むのが苦痛でもあった。

ケレン味たっぷりな作品集ではあるが総じて過去への敬意が感じられず、私の歴史観とは相入れない。しかしネットの書評では結構好評であり、歴史エンタメのお好きな方には、読んで気に入る方も一定居られるだろう。

このブログに「私の本棚」シリーズを設けているが、読んで気に入ったものは同シリーズ、そうでないものは今回新設した「私の本棚➡ブックオフ行き」シリーズに分類することにした。

ここに入れる判断基準は単に私の独断に過ぎず、その本を如何なる意味でも評価付けるものではないことを、そして読書好きの私としてはこの新コーナーが回数を増やさないことを望んでいることを、あらかじめお断りしておこう。

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