

夜になると、樹林帯の中ではあるが稜線上なので時折、谷から吹き上げる風と霧のせいで
体感温度は、ゼロ℃以下に感じた。実際は3~4℃位。
EPIのコンロも寒さで使い物にならず、ガスを懐で温めてから少量のお湯を作り、それをコッヘルの
フタに注ぎ、その中にコンロを入れて何とか調理した。
やることも無いので、寝袋に入った。
しかし、獣の気配のお陰で神経が研ぎ澄まされていく。
異常なまでに自分の聴力が鋭くなる。
風が止むと、落ち葉を忍び足で踏みしめる音が辺りで聞こえる。
しかも1頭ではなく、確実に複数。 怖い。
思い切って、ナイフを片手にテントから飛び出した。
ドドドッと一目散に森の中に走り去る獣が数頭と、その場に留まってこっちを見ている鹿3頭。
暗闇の中、ヘッドランプの明かりに照らされて見る鹿の姿は震える程、大きく見える。
その距離、15m。
不気味だ。
体当たりしてきそうだ。
しばらく観察していたが、鹿達は辺りの草を食べ始めた。
害はなさそうなので、また寝袋に。
動物園の鹿の檻の中で眠る感じ。
朝は天気が安定していたので、熱いコーヒーを2杯、胃に流し込み、露でグショグショなテントを
ザックに押し込み、昨日来た登山道を。
四時間半かけて三峰神社に到着。 途中3人組みの登山者に遭ったのみ。
危険な場所は無いのだけれど、アップダウンの繰り返しでかなりハード。
トータルの歩行距離が24kmもあり、山が凄く深い。
朝まで居た雲取山は三峰から遥か遠くにみえました。