https://youtu.be/KraAhwVq4aA 



先週からイグチ楽器から取り寄せた楽譜に挑戦している。曲は今度のマンドリン独奏コンクールの課題曲Gervasioのニ短調ソナタ。この曲アネダ来日時に収録したレコードを聴いて好きになり、いつかは弾いてみたいと思っていて、数年前海外から楽譜を取り寄せたのだけど、違うニ短調の曲でがっかりした経験がある。今回はコンクール用の楽譜はまさしくこの曲だと判り、すぐに注文したのです。もちろん今回のコンクールはシニア部門はないから、残念ながら?コンクールには出ませんが、、、ざっと弾いてみたのですが、やはり弾きごたえのある良い曲です。ただ、アネダが使用した楽譜とは随分と違いあるようです。楽章の順番も違い今回の第3楽章を始めにアネダは弾いています。アネダは自ら編曲して弾いていたかもしれませんが、どちらかというとアネダ版の方が好きです。今回の楽譜は原曲に近いのかシンプルな感じがします。

 

以下弾いてみて感じた事
①第二楽章は技術的には優しく初心者でも弾けると思います。ただアレグロ特に第一楽章は指がもつれそうな所もあり上手く聴かせるにはかなり練習が必要だと思います。特に最初の方で早めのテンポにしてしまうと後が大変、指がもつれます。メトロノームを利用し、無理のない速度で練習するといいでしょう。

②ピックのダウンアップの指定や強弱の指定がないので、コンクール的には技術的音楽的なセンスが求められます。先生に師事していたら指導受ければいいでしょうが、そうでない人やコンクールに関係ない人は自由に試行錯誤して最適だと思う演奏すればよいと思います。制約されないから、自由に自らの感性で演奏すればよい。試行錯誤してこれだと思う演奏を探り出す過程がワクワクドキドキして楽しいと感じる。そういう意味でもとても良い曲だ。私的には第一楽章の16小節目からの上昇していくフレーズは徐々にクレッシェンドすべきと思う。なお、自分の感性に自信なければ、アネダの動画を見て完璧に真似ればコンクールは通るかも。

③なんと言っても難しいのが、一拍目重音の後その重音の一番下の音を連続して弾くという場面が続く所。第一楽章なら20小節目から第三楽章なら52小節目以降。これが一番難しい。これが上手く弾けるかがコンクール合格の鍵でしょう。この個所最初の重音をアップにするかダウンにするかで、音楽的表情が大きく変わる。アップだと軽やかで雅な感じ、ダウンだと重音を強調した切れのある重厚さ。アネダはダウンだ。どちらにするにせよ、下の音がむらなく連続して聴こえるかがコンクールの合格条件になるのだろう。

 

④第一楽章の23小節目から下の連続音がA音に変わる個所は、普通の手のサイズでもA音を押さえながらの演奏は不可能だと思う。よほど手が大きく柔軟でないと完奏できないのではないでしょうか。最初楽譜の校正ミスかと思いましたが、アネダが実際に演奏する動画を見るとずっと小指でA音を押さえながら演奏していて、楽譜は正しいようです。ここは割り切って私はD音のまま弾いてますが、コンクールはそれでよいのかどうか?カラーチェの前奏曲など独奏曲の難曲には手が大きくないと弾けない曲が多く、プロとなれば手の大きい方が良い。そういう面でコンクールの二次審査でのふるい落としを狙っているとしか思えないのですが、、、。

 

以上弾いてみた感想です。この曲早く弾く箇所もあるし、弦の上下をスライドする個所もあるので、ネックが細く指板やブリッジが傾斜したローマ型のマンドリン(EmbergherやPecoraro、Egildo)の方が弾きやすいと思います。私は主にEgildoで弾いています。