クリスマスも過ぎたので、いつまでもペッティネのクリスマスソングを弾いている訳にもいかない。次なる曲に挑戦しようと考えているうちに新年になってしまったが、思い浮かばない。ただ、いつかは弾かねばと思う曲はある。カラーチェの前奏曲第三番である。カラーチェの前奏曲は第2第10第14第15第5第1の順に過去挑戦してきた。なので、残る第三番はいつかは弾こうと心に決めていた。といってもカラーチェの前奏曲は難解かつ技術的に難しい。気軽に挑戦する気にはなれなかった。強靭な精神力で気合を入れて取り組まないと跳ね返されてしまう、そういう曲だ。高く険しい山登りに挑む気持ちと同じように感じる。確かに始めると難行苦行の連続だが挑戦しなければ、途中の美しい景色も見られないし、最後まで到達した時の達成感や喜びもない。ただ違うのは失敗したら、山では死ぬ事もあるが、楽器演奏では死ぬことはない点だ。そう思えば少しは気が楽になる。これから毎日一小節ずつでも良いから根気よく少しすつ何度も弾いていけば、やがて最後まで到達するだろう。そう思って今弾き始めている。この曲の模範演奏となるCDや動画は少ない。カラーチェの前奏曲では第2や第10と比べポピュラーではないからだろう。大西功造氏のYouTube動画が唯一参考にはなるが、あくまで参考程度で楽譜を読み取って弾いていくのがベストだろう。
この曲出だしの旋律が印象的で、それから重厚な和声に引きずり込む。曲のほとんどが重音だが、カラーチェらしく手の小さな人間には指が届かない個所や弾きにくい個所もある。かと言って完奏するのを断念する必要もないだろう。重音の一部の音を省略しても味わいべき曲だと思う。